2023 Fiscal Year Research-status Report
嚥下内視鏡検査におけるホワイトアウトの輝度を用いた嚥下圧の客観的評価法の開発
Project/Area Number |
21K11164
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
五味 暁憲 群馬大学, 医学部附属病院, 医員 (10325798)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横尾 聡 群馬大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00322206)
神戸 智幸 群馬大学, 医学部, 非常勤講師 (90649493)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 嚥下障害 / 嚥下内視鏡検査 / ホワイトアウト / 咽頭収縮圧 |
Outline of Annual Research Achievements |
摂食嚥下リハビリテーションにおいて,嚥下機能の評価は,訓練計画の立案および訓練の効果判定に重要である。評価の手段である嚥下内視鏡検査(videoendoscopic evaluation of swalloing; VE)は嚥下機能評価のゴールドスタンダードの1つとされ,治療やリハビリテーションの効果を可視化できる利点を有するが,嚥下動作の瞬間は,咽頭収縮により内視鏡レンズと粘膜が接触するため何も見えなくなり,その瞬間だけファイバー光の反射により観察中の画面が真っ白になる。この現象はホワイトアウト(white out;以下WO)と呼ばれる。 WOは,咽頭収縮が不良の場合,粘膜と内視鏡の接触が緩くなり,ファイバー光の反射が減るため,WOの明るさ(以下,輝度と記す)が低下することも知られている。この観点から,WOは咽頭収縮時の圧力すなわち嚥下圧(swallowing pressure;SP)の程度を評価するのに有用な現象であると期待される。本研究は,内視鏡を用いた嚥下検査において,嚥下の瞬間の咽頭収縮によって生じるWOの輝度が,咽頭収縮の強弱で異なることに着目し,WOの輝度か らSPを評価する方法を開発し,嚥下機能を数値化して評価できるようにすることを目標とする。 方法は,①圧センサーをファイバー先端に装着した内視鏡を用いて,被験者の嚥下動作を録画すると同時に,WOの瞬間の嚥下圧を計測する,②WOの輝度(単位; ルクス)を画像解析ソフトで計測する,③WOの輝度と嚥下圧との相関を統計処理し,WOの輝度から嚥下圧を算出する方法を構築し,④WOを用いた嚥下圧の基準値の設定につなげることを目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究には,嚥下圧を計測する装置が必要である。嚥下圧は鼻咽腔内視鏡に備えるセンサーに加わる圧力を計測するが,センサーの形態は,咽頭壁に接触する形状である必要があることが予備的試験およびこれまでの研究にて明らかとなった。これまで用いてきたセンサーを改良する方が,より確実な嚥下圧測定を可能にすると考えられ,現在適切なセンサーへの改良を行っている。そのため研究の進行が遅れている。 研究代表者が異動し,勤務先の病院で調査を行うための準備が必要となったことも研究遂行の遅延の原因である。
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Strategy for Future Research Activity |
嚥下圧を計測する圧センサーを改良した鼻咽腔内視鏡が使用できるようになることで,本研究計画が進められると考えている。また,被験者には十分説明の上,協力してもらう予定であるが、新型コロナウイルス感染症をはじめとした流行型感染症の懸念は今後もしばらく続くと思われるため、感染対策を十分に講じておく必要がある。 嚥下圧測定は非侵襲で計測手技も容易であるが,嚥下圧測定は鼻腔から内視鏡を挿入する操作があり,まったく侵襲性がないとは断言し得るものだはないことに留意し,内視鏡挿入による違和感や鼻腔粘膜との接触による鼻出血の可能性などに留意する必要がある。そのため,被験者には十分な説明を行い,有害事象が起こったときの対処法を準備するとともに,被験者の選定には出血傾向のある患者や鼻疾患の患者の除外を行う必要があると考える。 研究代表者が異動し,勤務先の病院で調査を行うための準備が必要となった。踏査を遂行するための準備として関係部署への説明と協力要請を行ってきているため,調査の再開が可能となる予定である。
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Causes of Carryover |
本研究にて嚥下圧を計測するセンサーの形態は,咽頭壁に接触する形状である必要があることが予備的試験およびこれまでの研究にて明らかとなったことから,これまで用いてきたセンサーを改良する必要があると判断したため,現在改良を行っている。そのため被験者の嚥下圧測定を一時中断している。その結果調査費用として用いる研究費の使用が少なかった。センサーの改良が完了すれば調査を再開できるため,研究の遂行が可能になると考えている。 研究代表者が異動し,勤務先の病院で調査を行うための準備が必要となったことが研究遂行の遅延の原因の1つであり,そのため調査費用として用いる研究費の使用が少なかった。関係部署の承認と協力が得られることで,調査を再開できるため,研究の遂行が可能になると考えている。
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