2021 Fiscal Year Research-status Report
運動学習における特異的GABAシナプス脱抑制のメカニズムとその意義
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21K11168
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
木田 裕之 山口大学, 大学院医学系研究科, 講師 (70432739)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 運動学習 / GABA抑制 / layerV |
Outline of Annual Research Achievements |
運動学習後には一次運動野 (M1)において、一時的な脱抑制が観察される。しかし、脱抑制のメカニズムは明らかになっていない。M1には様々なGABA作動性の抑制性細胞が存在するが、VIP(vasoactive intestinal polypeptide)陽性細胞は他の抑制性細胞の活動を抑制し(脱抑制)、錐体細胞が担う皮質内局所回路の活動性を上昇させることが知られている(Zhanget al., 2014など)。そこで本研究ではGABAニューロン(PV, SOM, VIP)を特異的に標識し、運動学習における抑制性細胞の機能に迫る。本年度はPV-Creマウス(#008069)を導入した。pAAV-FLEX-tdTomatoをM1にインジェクションすることによりPV陽性細胞の可視化を確認した。行動実験はコントロール群と同様に学習が成立した。またパッチクランプ法によって抑制性細胞の特性として知られるfast spiking様の活動を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ウイルスに暴露された細胞の状態はWTと比較すると、脆弱でデータ採取はやや難航している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はシナプス電流の解析を行う予定であるが、前述した通り、ウイルス感染細胞の記録をすることが難しく、感染するまでに時間がかかる事、マウスの維持・管理の煩雑さからレポータマウス(Ai14など)の導入を検討している。
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Causes of Carryover |
本年度実施した、AAVによる抑制性細胞の可視化では十分なN数が得られず、次の行動実験に入るための消耗品の購入を見送ったため、未使用額が生じた。この未使用額については、令和4年度の研究費と併せて、頭部固定リーチング課題実験に用いる消耗品の購入に充てる。
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