2021 Fiscal Year Research-status Report
脳卒中関連サルコペニアの発症要因によるclassificationと長期予後
Project/Area Number |
21K11182
|
Research Institution | Konan Women's University |
Principal Investigator |
野添 匡史 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 准教授 (10733298)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 脳卒中 / サルコペニア / 低栄養 / 悪液質 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究開始初年度は脳卒中関連サルコペニアの発生要因として考えられている低栄養及び悪液質の評価方法確立のための妥当性検証作業を行った. まず、低栄養の診断方法であるGLIM基準に基づいた栄養評価方法が急性期脳卒中患者に対して行うことの妥当性を検証した.GLIM基準の低栄養は急性期脳卒中患者の28%でみられ、FIM運動項目や自宅復帰率が有意に低かった.また、多変量解析の結果、GLIM基準の低栄養はFIM運動項目や自宅復帰に対して独立した説明変数として抽出された. さらに、悪液質基準が急性期脳卒中患者の体重変化と関連するか否かについて、縦断研究を実施して検証した.悪液質基準を有する場合、脳卒中発症後の体重は有意に減少しており、多変量解析の結果においても、悪液質基準は体重変化の独立した説明変数であることが明らかになった. また、脳卒中発症前のサルコペニア評価方法の一つである質問紙法(SARC-F)について、これまではカットオフ値を用いた評価だけが行われていた.しかし、SARC-Fのスコアを用いた評価方法の有効性を検証するため、脳卒中後の機能予後との関連を多変量解析を用いて検証した.その結果、SARC-Fのスコアも機能予後に独立した関連因子である一方、機能予後良否のカットオフ値はサルコペニア有無のカットオフ値である4点と同様であることも明らかにンなった. 以上の結果より、本年度は脳卒中関連サルコペニアの要因調査方法として、低栄養の診断及び悪液質の評価法、病前サルコペニア評価法の確立に至った.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
脳卒中関連サルコペニアの要因評価のために、まずはその手法の確立が必要であった.本年度の研究成果と他の先行研究結果からも、脳卒中関連サルコペニアの要因評価方法の確立に至った.
|
Strategy for Future Research Activity |
初年度成果が出た研究に合わせて、長期予後を検証するコホート研究の取り込みを開始しており、約150例の登録が完了している.今後も目標症例数まで取り込みを継続するとともに、今年度からは1年後の長期予後評価を開始していく.
|
Causes of Carryover |
投稿している論文掲載が遅れ、その掲載費が次年度に繰り越す必要が生じたため.
|