2022 Fiscal Year Research-status Report
脳卒中関連サルコペニアの発症要因によるclassificationと長期予後
Project/Area Number |
21K11182
|
Research Institution | Konan Women's University |
Principal Investigator |
野添 匡史 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 准教授 (10733298)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 脳卒中 / サルコペニア / フレイル / 低栄養 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度から継続していた2つのコホート研究について、短期アウトカムの収集が完了したものから成果発表ができた. 具体的には、脳卒中発症前から生じているサルコペニアに関して、その関連因子であるフレイルや病前障害といった徴候が重複することで機能予後にどのような影響を与えるかについて検討した.317例の急性期高齢脳卒者において、脳卒中発症前のサルコペニアは19%、フレイルは9%、病前障害は17%で認められた.これら3つの徴候が1つあるだけでは機能予後に影響は与えないものの、2つないしは3つ重複することで、機能予後を悪化させることが明らかになった.つまり、サルコペニアだけでなく、その要因であるフレイルや病前障害の評価を行うことが重要と考えられた. また、サルコペニアの要因として重要な低栄養が、脳卒中者の機能予後に与える影響を検討した.241例の急性期脳卒中者において、発症時点で低栄養を有する例は26%であった.低栄養を有する場合、入院中の運動麻痺の改善には影響は与えないものの、基本動作の改善には影響を与えることが明らかになった.つまり、低栄養評価は生命予後や有害事象の予後だけでなく、短期的な身体機能改善に影響を与えることからも、その評価は発症時点、入院時点から重要であると考えられた. これらの成果から、脳卒中者のサルコペニアを評価・介入するには、その要因となりうるフレイルや低栄養についても同時に評価することの意義が示された.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2つのコホートのうち、1つについては1年後のフォローアップまで完了し、今後解析及び論文発表を進める.また、もう一つのコホートについても症例登録が進んでおり、目標症例数までの登録を進める予定である.
|
Strategy for Future Research Activity |
フォローアップが完了したコホートのデータに関しては次年度に論文発表を進める.また、患者登録を進めているコホートに関しては、引き続き患者登録のリクルートを進める.
|
Causes of Carryover |
COVID-19流行により予定していた出張が実施できなかったため.
|
Research Products
(4 results)