2023 Fiscal Year Research-status Report
脳卒中関連サルコペニアの発症要因によるclassificationと長期予後
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21K11182
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
野添 匡史 関西医科大学, リハビリテーション学部, 准教授 (10733298)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 脳卒中 / サルコペニア / フレイル / 低栄養 / 悪液質 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は2つのコホート研究についての成果をまとめることができた。 脳卒中関連サルコペニアの有病率とそのリスク因子を検討したコホート研究においては、、年齢、NIHSS、BMI、嚥下機能であるFOISが関連していることが明らかとなり、これらの指標を用いた脳卒中関連サルコペニアの予測が有効な可能性が示唆された。また、同一コホートにおいて、脳卒中後の食欲不振と機能的予後との関係についても調査し、食欲不振は栄養状態や機能的予後とは関連するものの、骨格筋指数や筋力といったサルコペニアに関連する指標とは関連性が認められなかった。よって、食欲不振は脳卒中関連サルコペニアとは直接的な関連性は認められないものの、機能的予後に独立して影響するため、脳卒中者予後予測には重要な可能性が示唆された。脳卒中関連サルコペニアとより長期的なアウトカムとの関連について調査したコホート研究では、サルコペニアやそのスクリーニングに用いられる握力、身体組成、下腿周囲長といった各種指標と予後との関連性を検討した。その結果、握力、サルコペニア、骨格筋指数といった指標は長期予後との関連があるものの、もっとも影響力が強かったのは握力であることが分かった。つまり、脳卒中関連サルコぺニアの指標のなかでも握力評価はもっとも重要な可能性が示唆された。 さらに、別のコホートにおいて、入院時のサルコペニアスクリーニング評価と短期的なADLの改善について、病前障害有無でどのような違いがあるかを検証した。その結果、病前障害がない場合はサルコペニアリスクがADLと関連するものの、病前書具合がある場合はサルコペニアリスクとADLは関連がなかった。よって、現状のサルコぺニアリスクの評価はどのような脳卒中にも適応可能なわけではなく、対象者の病前状態によって影響を受ける可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していたコホート研究を継続できており、かつ論文発表も予定通り進んでいる。また、長期的な予後に関するアウトカム収集も予定通り進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
1年後のアウトカム収集を実施しているコホート研究の成果をまとめ、論文公表していく。
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Causes of Carryover |
予定していた論文発表に関わる経費(掲載費)について、出版社側から提示されたバウチャーを利用して削減されたため。削減された経費を用いて、次年度論文発表時のオープンアクセス代に利用する。
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Research Products
(6 results)