2021 Fiscal Year Research-status Report
Construction of language learning model for children with severe physical disabilities with tracheostomy
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21K11185
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Research Institution | Kumamoto Health Science University |
Principal Investigator |
佐々木 千穂 熊本保健科学大学, 保健科学部, 教授 (30569603)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
境 信哉 北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (30299804)
竹島 久志 仙台高等専門学校, 総合工学科, 教授 (80216887)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 脊髄性筋萎縮症 / 気管切開 / 重度肢体不自由児 / コミュニケーション支援 / AAC / 医療的ケア / 遠隔支援 / 音声喪失 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに引き続き、学習支援システムの改変に際し、研究代表者と分担研究者らで月1回以上のオンライン会議を開催し、事例検討を交えながらスイッチ操作獲得や文字学習などの支援システムの改変やプログラムの追加などを行った。 新規プログラムの追加については、障害児の発達とメンタルローテーションの関係性に詳しい研究者への研究相談を通じ、改変への参考資料とした。脊髄性筋萎縮症(SMA)Ⅰ型児らへの遠隔支援を通じた実証研究においては、過去の事例に加え、新規未就学児~修学児(5例)に対し、前方視的に支援を開始した。また、研究課題の中で1つの大きなテーマである「視線入力とスイッチ操作による機器の操作性の違いや、機器を通じたコミュニケーション獲得における獲得スピードの差や、実際にサポートを行う養育者の負担感、導入を促進もしくは減退要因などについても、年齢やコミュニケーション獲得の各段階(定型句使用や文字入力など)によって差があるか等の比較検討を行った。 また、機器を使用したコミュニケーション獲得において、使用するソフトウェアを含めた各機器の機能と、その機能を使用して実現可能なコミュニケーション能力との対応を図示し、発達に応じて使い分ける必要性が支援者にわかりやすくなるためのツールや、語彙やコミュニケーションの拡大が経時的に確認できるような試案図を作成し、養育者やコミュニケーション発達支援に関わる専門職らへ記入を依頼した。 社会的状況の影響により訪問支援が困難であったことから、児らのコミュニケーション発達の状況について養育者と研究者らとの情報共有をなるべく密に行うために、すでに開発済みの学習支援システムのログを解析したり、情報管理ツールにより画像を含めた情報共有を行ったり、養育者と研究者とのオンラインによる情報交換を月1回程度継続して行ったりするなどの工夫を講じた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
感染症対策を含む社会的状況により、必要時に訪問支援が行えなかったり対面での研究相談が行えなかったりした他、半導体不足等による機器類入手困難も遅滞の原因となった。 また同様の理由で、研究協力を要請している児の養育者らの体調不良による連絡の遅滞等、キーパーソンの要因による遅滞もあった。そのため、なるべくリアルタイムにコミュニケーション発達支援の状況を把握することを目的に、オンライン会議システムを使用した情報交換の場を設けたり、情報共有ツールを通じた情報交換を多用することをもって、上記の問題点に対応していった。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度に開発した学習支援システムや、改変したプログラム等を使用しながら未就学から就学期前後の児らに対して、遠隔支援を継続していく。前年度に引き続き、重度肢体不自由児の意思伝達装置操作に関して、視線入力機器とスイッチ操作による機器操作の比較や、最重度の肢体不自由により上記以外の入力方法が必要となる児に対しては、その他の生体認証入力による手段も検討していく。 社会的状況や、支援対象児らの体調等をみながら訪問支援を行ったり、状況によってはオンラインサポートを初年度後半同様多用することにより、上記の問題点に対応する予定である。
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Causes of Carryover |
初年度は社会的状況の影響で、当初予定していたよりも実証研究において全体的な遅滞があったことに加え、貸し出し用の機器類の選定のプロセスの中で、高機能意思伝達装置のバリエーションが多くなっていたことから選定に時間を要し、貸し出し用の機器購入を初年度内に決定できなかった。また、当初予定してた研究協力対象児ら宅への訪問支援が予定ほどには行うことができなかったため旅費を使用しなかった。いずれの予定遅滞分について2年目以降に行っていく。
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Research Products
(10 results)