2023 Fiscal Year Annual Research Report
口蓋裂患者における口蓋裂幅と言語成績の検討~音響特性評価による新規診断値の設定~
Project/Area Number |
21K11190
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平野 友紀子 東京大学, 医学部附属病院, 言語聴覚士 (80868795)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 路子 東京大学, 医学部附属病院, 言語聴覚士 (80869123)
星 和人 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (30344451)
西條 英人 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (80372390)
大久保 和美 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (10396715)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 音響特性機器ナゾメータ / 鼻咽腔閉鎖機能 / 口唇口蓋裂患者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は鼻音化率計測装置ナゾメーターを用いて、鼻音化率(Nasalance score、以下NS)を計測し、従来の言語聴覚士(以下ST)による聴覚判定と比較し、鼻咽腔閉鎖機能を評価する際の有用性について検討することである。 本年度は口唇口蓋裂患者32例を対象にデータをあつめた。経験のあるSTによる音声言語の聴覚判定をもとにこれらの症例の鼻咽腔閉鎖機能(以下、VPC)の4段階評価をおこなった。そして、NS(母音「い」、子音「つ」、低圧文、高圧文)の平均値と最大値を求めた。また、STによる4段階評価とNSについて相関係数を求めた。さらに、Mann-WhitneyのU検定を用いて、平均値の差の検定を行った。また、NSについてROC解析を行い、Cutoff値とAUC値を求めた。 結果は、STによるVPCの判定ではVPC良好13例、ごく軽度不全5例、軽度不全10例、不全4例であった。これらの結果をもとに、良好とごく軽度不全を良好2群、軽度不全と不全を不全2群とした。 NSはすべての刺激音・文の平均値と最大値において、良好2群と不全2群間に有意差を認めた。また、STによる4段階評価と正の相関が認められた。ROC解析では、AUC値は「つ」と高圧文のNS平均値・最大値が0.9以上であった。Cutoff値は各刺激音・文のNS平均値は23%から53%、NS最大値は62%から84%であり、幅があった。AUC値からVPC良好2群と不全2群を分けるCutoff値は、NS平均値において「つ」、高圧文で20%台、NS最大値において、「つ」で60%台、高圧文で80%台が有用と思われた。VPCを評価する上でSTによる聴覚印象と併用してナゾメーターを使用することは有用である。一方で、本研究は年齢、性別、疾患の重症度の統制を行っていないため、今回のNSの数値には限界があり、これらを今後の課題としたい。
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Research Products
(7 results)