2021 Fiscal Year Research-status Report
Virtual Reality を用いた高齢者の転倒予防練習の効果
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21K11192
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
浦邉 幸夫 広島大学, 医系科学研究科(保), 教授 (40160337)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 慶明 広島大学, 医系科学研究科(保), 講師 (10536783)
栗田 雄一 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 教授 (80403591)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | Virtual Reality / 転倒予防 / バランスエクササイズ |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度は,今後の研究実施に必要な計測機器や消耗品の購入を行った。また,健常者10名(男女各5名)を対象とした予備的な研究を実施した。本年度の主な成果としてはヘッドマウントディスプレイ装着下で実空間が徐々に傾いていく様子をVirtual reality (VR) 映像で観察した際に生じる重心動揺の移動量を観察した際に得られた知見である。具体的には,変化速度と変化幅が異なる4種類のVR映像(条件1:10°まで1°/ sで変化,条件2:10°まで10°/ sで変化,条件3:20°まで1°/ sで変化,条件4:20°まで10°/ sで変化)を同一対象者が見た場合に,①設定条件によって重心の移動量が異なること②映像を傾ける速度や変化幅を大きくすればするほど対象者の重心移動量が大きくなるわけではないこと③これらの結果は性別の影響を受けないこと,というような結果が示された。また,この研究成果は国際誌にも報告して掲載された。 今回の研究結果を受けて,当初の予定通りに進めていくにあたり必要な知見が得られた反面,仮説と一部異なる結果も見られたため,今後も注意深くデータの収集を進めていきバランスエクササイズのプログラムへの応用を試みる必要があると考えた。 上記の研究結果を踏まえて,追加で他の条件での測定を実施して,現在解析を進めている。次年度以降は,その結果も踏まえてバランスエクササイズの考案と健常者への展開,健常高齢者への応用と段階を踏んで検討を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在の進捗としてはやや遅れており,その理由としては下記の点である。 1.コロナ禍の関係もあり,測定に使用予定の購入物品の納品が遅れたため,研究開始時期を含めて計画が多少遅延している。 2.予備研究を通して,映像を傾けていく際の変化が大きい(速度や角度)条件ではより重心動揺の移動量が大きくなることが示されると考えていたが,そのような単純な見解は運動プログラムを考案するにあたり,リスクとなる可能性があることが本年度の予備研究からわかった。そのため,慎重なデータ収集と解釈を現在進めているため当初の計画よりはやや遅延している。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度ではVRを利用した安全なバランスエクササイズの考案に向けた,基礎的なデータの収集が進んだ。次年度以降はバランスエクササイズの考案と効果検証を行い,適応を健常者から高齢者へ広げていくことを目指す。最終年度にはより安全なバランスエクササイズの実施を目指して,座位姿勢で実施した場合に得られる効果の検証も進めていく。
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Causes of Carryover |
測定に必要な機能を満たす別の機器が安価であったためそちらを購入したこと,また当初計画していた学会がコロナ禍によりオンラインでの開催となったことなどの理由から次年度使用額が生じた。令和4年度は国内外での調査費用や令和3年度の成果を学会で発表するなど計画している。また,研究成果をオープンアクセスを念頭に置き国際誌に投稿することを計画している。
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Research Products
(1 results)