2023 Fiscal Year Annual Research Report
精神障害者のリカバリー志向型学習プログラムの評価研究
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21K11193
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
田中 悟郎 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (00253691)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲富 宏之 京都大学, 医学研究科, 教授 (10295107)
岩永 竜一郎 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (40305389)
今村 明 長崎大学, 病院(医学系), 教授 (40325642)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 精神障害 / リカバリー / ピアサポート / 共同創造 / 学び |
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は、精神科外来通院中で、本研究の目的及び方法を説明し同意が得られた精神障害者等を対象に、令和3年度及び令和4年度に確立した学習プログラム(全9回、各約3時間、対面実施)をピアサポーター(令和4年度の受講修了者含む)と専門職が共同創造しながら実施した。今回の対象者は、精神障害者20名と障害福祉サービス事業所等の職員2名の計22名で、本プログラムの修了者数は19名(修了率86%)であった。修了時の受講者のプログラムへの満足度は、「満足」10名(59%)、「やや満足」6名(35%)であった。「言葉にはできないくらいのことを学んだ。とても有意義で前向きになれた」、「人それぞれに物語があり、十人十色の考え方があるということ、マイナス点をプラス思考への考え方を学んだ」、「ファシリテーターの生の声がきけてよかった。当事者の声なのでかなりためになった。グループでの話し合いが良かった」、「ファシリテーターの方が貴重な自身のリカバリーストーリーやいろいろな講義をしてくれてよかった」、「他の方の経験や意見を聞けたことで自分の気持ちの持ち方が変わった」などいう感想もあり、本プログラムの有効性が示唆された。 研究期間全体を通じて実施した研究の成果は、初年度はパイロット研究として厚生労働省の「障害者ピアサポート研修事業実施要綱」に示された標準的カリキュラム及びテキストを参考にしてリカバリー志向型学習プログラムを実践し、プログラムの内容を確立した。令和4年度は、精神科外来通院中で、本研究の目的及び方法を説明し同意が得られた精神障害者等を対象に、パイロット研究として令和3年度に確立した学習プログラム(全9回、各約3時間、対面)をピアサポーターと専門職が共同創造しながら実施した。令和5年度には上記の結果が得られ、本学習プログラムへの満足度は高く、質的なデータでもプログラムの有効性が示唆された。
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