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2023 Fiscal Year Research-status Report

片麻痺プッシャー現象の客観的評価法と感覚参照系を踏まえた治療法の開発

Research Project

Project/Area Number 21K11212
Research InstitutionKanazawa University

Principal Investigator

淺井 仁  金沢大学, 保健学系, 教授 (50167871)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2025-03-31
Keywords脳卒中 / 片麻痺 / プッシャー現象 / 客観的評価
Outline of Annual Research Achievements

【はじめに】Pusher現象(以下PB)は座位や立位において非麻痺側上下肢を用いて麻痺側へ押す現象であり、ADL改善の阻害因子として指摘されている。この評価に[BLS]や[SCP]が使われるが、基本動作の質的変化に対応し難い例も認められる。ADL動作では[掴む]ことで、[引く]力を用いることもあり、既存の[押す]評価だけでは不十分であると考えた。本研究では座位に着目し、従来の定量的な評価法と臨床症状を比較検討した。
【症例報告】今年度は4症例のPBに対して検討を行った。そのうちの1症例について記述する。<方法>既存評価法によりPBを評価した。手すりに3軸方向荷重センサーを装着した椅子型装置を用い、座位中の上肢での荷重を20秒間計測し、3軸方向の力をそれぞれ求めた。また座面を非麻痺側へ下方傾斜させた状態での計測もした。<症例>70歳代男性。X日右尾状核脳梗塞を発症。X+2日理学療法開始。X+25日回復期病院へ転院した。
【結果】初期時BRS上肢Ⅱ手指Ⅲ下肢Ⅱ、半側空間無視あり、SCP4.75、BLS11、最終時BRS上肢Ⅱ手指Ⅲ下肢Ⅲ、半側空間無視あり、SCP3.75、BLS10で移乗動作が軽介助、杖歩行練習開始。荷重値:初回は座面0から2度の傾斜で非麻痺側上肢での支持が少なく、座面4から8度の傾斜で外下方へ押す傾向が増加し、10度の傾斜で外下方へ押す傾向が大きくなった。最終は2度の傾斜で非麻痺側上肢での支持が出現し、4から10度傾斜によりこの傾向が大きく増強した。
【考察】今回、PBにおける既存の評価の初回と最終評価の差が小さい場合にも、仮説通り姿勢保持戦略が変化する患者が存在することを客観的な数値として示すことができた。また、座面を非麻痺側に傾斜させての座位保持は、すべての症例を通して非麻痺側上肢での支持に有効であることが示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

昨年度から引き続きやや遅れている状況であり、pusher症状を示す症例数が少なかったことやコロナ禍等により対象症例の確保に難渋している。昨年度および今年度と合わせてようやく7症例のデータを取ることができたところである。

Strategy for Future Research Activity

新型コロナウィルス感染についても令和5年5月8日から5類に移行することにより、対象者の確保は昨年度よりは容易になるものと思われた。しかし、pusher症状を示す症例が少なかった。令和6年度も引き続き症例数を増やす予定である。

Causes of Carryover

コロナ禍等により、本来の最終年度である令和5年度までに予定した症例数のデータを取ることが困難であり、令和6年度も引き続き症例数確保のため研究を継続することとした。
令和6年度は10症例を目標に測定を続けていく予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2023

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 座位保持中の上肢使用傾向の数値化により Pusher 現象における既存の評価法との比較を試みた一症例2023

    • Author(s)
      高野寛之、高崎浩壽、淺井 仁、林 哲弘、石濱崇史、志村政明、菱田 実、糸川秀人
    • Organizer
      第21回日本神経理学療法学会学術大会

URL: 

Published: 2024-12-25  

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