2023 Fiscal Year Research-status Report
手指運動画像から筋緊張と麻痺の重症度を推定するアプリケーションの開発
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21K11220
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
齋藤 剛史 埼玉県立大学, 大学院保健医療福祉学研究科, 大学院研究員 (00866791)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱口 豊太 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (80296186)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 脳卒中 / 運動麻痺 / 筋緊張 / 遠隔評価 / 動作解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は脳卒中後に生じる手指の運動麻痺を赤外線小型カメラを用いて評価するアプリケーションを作成することを目的としている.これまでの脳卒中後の運動麻痺の評価は,療法士が目視でおこなっており,一定のレベルで評価するためには熟練が必要とされる.また治療前後の比較や予後予測をおこなうためには定量化されたデータである必要がある.現在まで小型赤外線2眼カメラを用いた3次元動作解析システム手指機能評価装置(特許第6375328号)を開発し,手指の運動パターンを機械学習させて作出した識別子を用いて運動麻痺の重症度を判定することに成功した.そこでこの装置が脳卒中後の運動麻痺の特徴である痙縮と呼ばれる筋肉の緊張状態の異常を評価できれば,より詳細な状態を定量的に評価することが可能になる.さらに非接触で測定することができれば,遠隔での評価が可能となり,将来的には在宅に居たままリハビリ治療や動作指導を受けることができる可能性が広がる. 2023年度において研究代表者は被験者の測定を継続し,研究分担者は得られたデータの解析をおこなった.解析は,麻痺側,非麻痺側とも手指機能評価装置の測定値から単振動の正弦波に近似させて,その周波数と位相を計算した(f(x)=α*sin(βx+φ).算出された周波数と筋緊張を一般化線形モデルで推定した (式:筋硬度= (麻痺側周波数*β1) + (非麻痺側周波数*β2) +切片) .この回帰式の整合性を得るため,算出された39名の筋硬度の値をブートストラップ法にて筋ごとに5000データにリサンプリングし,自己相関を判別した. 結果,尺側手根屈筋の筋硬度を予測する回帰式が最も適合した.(式:筋硬度=(0.114*β1)+(0.178*β2)+49.253;Durbin-Watson=.927,P<.001) この成果については2023年度第57回日本作業療法学会で発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍において病院内の滞在時間が制限された経緯があり,現在においてもそのような環境が続いている.
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Strategy for Future Research Activity |
得られたデータから追加補充すべきデータがあれば改めて測定する.また論文投稿に向けて執筆する.
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Causes of Carryover |
コロナ禍において当初の想定よりも進行状況が遅れており,1年間の継続申請をおこなったため.
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[Book] 作業療法評価学2024
Author(s)
能登真一(編), 濱口豊太(分担)
Total Pages
646
Publisher
医学書院
ISBN
9784260052498
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