2021 Fiscal Year Research-status Report
吃音の進展予防に寄与するレジリエンス促進プログラムの開発研究
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21K11225
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
原 由紀 北里大学, 医療衛生学部, 准教授 (50276185)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 発達性吃音 / レジリエンス / 評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の研究目的は、吃音の進展を予防するプログラムの開発を目指すものである。 研究①では、幼児期の吃音児のもつレジリエンスが、本当に低いかどうかを検証することを目的とし、研究②では、幼児期からレジリエンスを高めるような指導を行なうことで、吃音児のレジリエンスが変化するかどうかを検証することを目的とする。研究③では、幼児期のレジリエンス促進プログラムが吃音の進展に良い影響を与えるのかどうかを長期に亘る縦断的研究で検証することを目的とする。 研究実施計画では、2021年度は、研究①としてレジリエンスに関する調査を実施予定であったが、吃音のある児の調査は、研究②のレジリエンス促進プログラムの効果評価にもつながるため、介入の準備が整った時点で同時に行うこととし、まずは、情報収集を実施した。「レジリエンスと吃音」「レジリエンスに関するトレーニング」に関する情報収集を国内外で行った。 <国際会議での情報収集>2021年6月にオンライン開催されたInternational Conference on Logopedicsでは、「小児の吃音に対する心理面の支援」に関する講演を受講した。また、2021年11月にオンライン開催されたASHA(米国言語聴覚士協会)の大会でも、関連するポスター発表、セミナーを受講し、注目されているテーマであることを再確認できた。さらに、Stuttering Foundation主催の「小児吃音児のレジリエンスについて」というテーマのオンラインセミナーも受講し、情報を得ることができた。 <国内の情報収集>日本ポジティブ教育協会の情報が本研究に有用と考え、「レジリエンス基礎講座」、「レジリエンス養成講座」「レジリエンスキッズ指導講座」を受講し、2022年度以降に実施予定のレジリエンス促進のための介入プログラム構築の準備を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画から、予定を変更して進めており、評価、介入に関する情報収集がかなり実施できたことから、研究②のレジリエンス促進プログラム開発については、順調に進行している。研究①の吃音児と非吃音児に対するレジリエンス評価については、予定を変更したため、実施できなかったので、やや遅れていることとなる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究①の「吃音児と非吃音児のレジリエンスを比較する質問紙調査」は、実施時期の変更を行い、2022年度実施する予定である。 研究②の「レジリエンス促進プログラムの実施と効果測定」については、2021年度に収集した情報を統合しながら、プログラムの最終形態を確定する。 研究①と②を同時に倫理審査の受審をしたのち、下半期に、質問紙の実施。介入の第1グループの実施を目指す。
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Causes of Carryover |
当初計画では、初年度で、吃音児と非吃音児を対象にレジリエンスに関する質問紙調査を実施する予定であったが、計画を変更し、レジリエンス促進プログラム開発のための情報収集を行ったため、想定した支出にいたらなかった。また、コロナの影響で、学会への参加が国際学会も含めて、中止やオンラインになったので、旅費の支出がなかったことも大きい。 次年度は、調査と、初回の介入を実施する予定であるので、予定されている費用の支出が見込まれる。
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