2021 Fiscal Year Research-status Report
呼吸性視覚フィードバックによる呼吸リハビリテーションの開発に向けた生理学的検討
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21K11226
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
泉崎 雅彦 昭和大学, 医学部, 教授 (20398697)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 呼吸運動 / 視覚 / 体性感覚 / ミスマット / フィードバック |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性閉塞性肺疾患(COPD)での呼吸困難は、QOL低下の最大の要因である。呼吸困難は痛みと同様に不快な感覚であり、実際、両者に多くの神経学的共通点がある。中でも呼吸困難と「幻肢痛」は、運動出力と体性感覚フィードバックのミスマッチという共通の機序を持つ。幻肢痛の鏡療法では、失われた四肢体性感覚を「四肢性視覚フィードバック」で代償し、痛みを緩和する。本研究の目的は、呼吸困難の緩和を目指す「呼吸性視覚フィードバック」による呼吸リハビリテーションの開発に向け、その基礎的知見を得ることである。2021年度は、自身の呼吸に同期した人物性Computer Graphicsの胸郭の動きは、単純な視覚情報として処理されず、呼吸運動出力のフィードバックとしての機能を発揮するか明らかにするために、呼吸に同期して運動するComputer Graphicsの提示方法について開発を進めた。ミリ波センサーを利用した非接触型呼吸測定装置の出力を利用するだけでなく、Respiratory induction plethysmographyの出力を利用して呼吸に同期するComputer Graphicsを提示できるよう、ソフトウェアの改変を進めた。その結果、人物性Computer Graphicsだけでなく、非人物性Computer Graphicsも利用可能となり、Computer Graphicsの動きを同位相同期、逆位相同期の形で提示することも可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Respiratory induction plethysmographyの出力を利用したComputer Graphicsを提示するソフトウェアを改変し、Computer Graphicsの動きを同位相同期、逆位相同期の形で提示できるようになった。新型コロナウイルス感染症の流行が継続し、一般被験者のフォーマルな研究参加を見合わせており、研究協力者とともに予備実験を継続し、Computer Graphicsの種類と動きの提示パターンの改良を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
Respiratory induction plethysmographyの出力を利用したComputer Graphicsの種類と動きの提示パターンの改良を進める。同位相同期、逆位相同期、非同期、画像拡大率の画像提示の条件を見極め、一般被験者を用いて最適な提示条件を明らかにする。とりわけ、呼吸運動と同期し、画像拡大率を高めた呼吸運動の視覚情報は、吸息から呼息への切り替えを修飾し、実際の呼吸パターンを変化させるか明らかにする。
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Causes of Carryover |
呼吸測定装置であるレスピトレース測定システムを購入したが、見込み価格よりも低額での購入が可能となり、次年度使用額が生じた。翌年度分として請求した助成金と合わせて、被験者謝金として使用する。
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Research Products
(4 results)