2021 Fiscal Year Research-status Report
ランダム化比較試験による運転中断高齢者への予防的作業療法の効果
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21K11228
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
澤田 辰徳 東京工科大学, 医療保健学部, 教授 (70434529)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 佳男 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 准教授 (40584206)
友利 幸之介 東京工科大学, 医療保健学部, 准教授 (90381681)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 高齢者 / 自動車運転 / 運転免許返納 / 予防 / 作業療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は各文献をレビューすることで当初作成した予防的作業療法プログラムの見直しをおこなった。さらに、実際に高齢者の運転中断者に対する予防的作業療法プログラムを行なっている海外の作業療法士との意見交換により、我々が行う健康維持プログラムの概要を作成した。 予防的作業療法プログラムは、当初の予定通りの項目で作成されているが、研究チームにより実際に行う場合の時間や選択プログラムの内容などが再考された。結果として、個別プログラムの共通するプログラムと選択するプログラムの組み合わせが変更された。 実際に予防的作業療法プログラムを行うための教材作成にも時間を費やした。それらは食事や運動、知的活動、セルフモニタリングなどの当初の予定していた内容に収まっており、書類としても全体的に80ページ程度になっている。最終的には80-100ページの教材本ができる予定であり、現在9割方完了している。一方で、各種動画教材も作成した。内容は実際に運転免許を返納した者へのインタビューや、代替手段の提案として、電動アシスト付き三輪車・四輪車・バスの乗り方などの動画を作成した。これらは各実施者や参加者が簡便にアプローチできるようにQRコードで閲覧可能な形にした。 一方で、昨今の状況により多人数かつ高齢者が集まる機会を作成することが難しい状況下にあった。そのため、関連機関との交渉に非常に時間を要している状況である。また、このことが影響して対象者リクルートに困難を極めており、倫理委員会への書類作成も難しい状況である。それゆえにプレスタディへの準備はかなり遅延しており、先の見通しがつきづらい状況にある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
予防的作業療法プログラムについては、若干の遅延も生じているが、ほぼ予定通りに作成が進んでいる。 遅延の最も大きな理由は、新型コロナウイルスの影響がある。研究計画をし始めた段階では各区役所などの協力により、運転に不安を持つ高齢者、あるいは既に免許を返納しており、健康に不安を感じる高齢者に対して公開講座的な催しを開催する予定であった。しかしながら、昨今の状況により多人数で、かつ高齢者たちが集まる機会を作成することが難しい状況下にある。そのため、関連機関との交渉に非常に時間を要している状況である。また、このことが影響して対象者リクルートに困難を極めており、倫理委員会への書類作成も難しい状況である。これらによりプレスタディが遅れており、研究進捗の大幅な遅れににつながったといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
既に研究の進捗は遅れているため、最終年度に研究実施期間を1年間延長する申請を出す予定である。それにより3年で行う予定を4年で実施することとする。 また、研究実施の遅れの主要因となっている対象者のリクルートについては以下のことを考慮する。今後は我が国の感染対策において、さまざまな対策が緩和されている傾向にあるため、我々の研究実施に対する状況が好転することが予想される。それのみならず、リクルートの方法を再考する。例えば、①対象者をワクチン3回接種者に限定した上で、病院レベルでの感染対策の実施下で行う、②Zoomなどの遠隔で行う方法の模索、③区などの公の機関を通すのではなく、折込チラシなどを入れるなどにより、大学内組織のみで実施可能な状況の検討などを行う。これらにより、研究実施の遅れを挽回する予定である。 その他の事案についてはおおよそ予定通り進んでいるため、令和4年度にはプログラムを完成させ、プレスタディの実施の目処をつける予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響により、各関連機関への訪問やプレスタディの開始が遅延したため、訪問に関係する旅費や参加者への謝金などの予算執行をする機会がなかった。次年度、研究状況の進捗が進むにつれ、各区役所や協力作業療法士への訪問の旅費およびプレスタディ実施により資料作成と施設借用の予算執行及び参加者への謝金の予算執行する予定である。
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