2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of a rehabilitation system for dysphagia using ICT
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21K11250
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
永井 多賀子 日本大学, 医学部, 准教授 (30837802)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上井 浩 日本大学, 医学部, 准教授 (50451373)
中西 一義 日本大学, 医学部, 教授 (60403557)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | リハビリテーションシステム / 摂食嚥下機能障害 / ICT / ディープラーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度では、令和3年度に行った予備実験結果をもとにICT活用による摂食嚥下リハビリテーションシステムのアルゴリズムを立案した。アルゴリズムは①評価・診断、②リハビリテーション指導、③食事指導の3点を基盤とした構成となる。 ①評価・診断:Ⅰ:嚥下機能評価、Ⅱ:サルコペニア診断、Ⅲ:誤嚥性肺炎リスク評価を可能とした。Ⅰ:嚥下機能はFunctional Oral Intake Scale (FOIS)での評価のほか各種評価法を組み合わせて行う。Ⅱ:サルコペニア診断は、Asian Working Group for Sarcopenia 2019(AWGS2019)を使用した。さらに、Ⅰの結果と合わせてサルコペニア性の摂食嚥下障害の可能性の診断を行う。Ⅲ:誤嚥性肺炎リスク評価は、既存のリスク評価をもとに作成した。 ②リハビリテーション指導:アルゴリズムから適切なリハビリテーションプログラムの抽出を行う。 ③食事指導:嚥下機能に応じた食事形態を判定できるプログラムで構成される。 プログラムに用いる評価方法およびリハビリテーション手技に関しては、正当性・妥当性および安全性が保障されているものを使用した。また、リハビリテーション技術職以外が行うことを可能とするようにアルゴリズムを作成した。測定データはソフトウェア内に蓄積され、経時的変化をグラフ化し、システムプログラム使用によるリハビリーテション効果や嚥下機能の推移の把握を可能とした。検証試験は摂食嚥下障害患者60名を対象に、システムプログラム使用によるリハビリテーション介入効果を検証する前向き介入研究を行った。現在データ集積は終了し、解析に向けて準備を進めている。また、検証試験中に試行版プログラムの最適化に向けた改良点の修正とブラッシュアップ作業を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和4年度の研究計画である摂食嚥下リハビリテーションシステム検証試験および包括的評価について、令和3年度の先行研究結果をもとに、リハビリテーションシステムの開発に向けたアルゴリズムを作成した。アルゴリズムをもとに作成されたソフトウェアを使用し、検証試験として摂食嚥下患者60名を対象に前向き介入研究を行った。現在目標症例数のデータ集積は終了しており、検証試験中に明らかとなったシステムプログラムの修正や訂正についてブラッシュアップ作業を繰り返し、概ねモデルプログラムは完成した。
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Strategy for Future Research Activity |
計画に沿って推進する見込みである。令和5年度では、令和4年度の検証試験で得られた結果をもとに、統計的検証を行う。システムプログラム使用による機能改善効果に関しての検証は、対応のあるt検定で検証する。検証項目は嚥下機能評価であるFunctional Oral Intake Scale (FOIS)、反復唾液嚥下テスト、改訂水飲みテスト、サルコペニア指標である握力、下腿周囲径、5回立ち上がりテスト、誤嚥性肺炎リスク評価、食事形態とする。また、令和3年度に行った予備実験と検証試験における各因子の単変量解析を行い、摂食嚥下機能に影響する因子について多変量解析を行う。これらの項目において有意差が出なかった場合は、その原因を追究し、研究代表者・分担者によるリハビリテーションプロトコルの修正を行う。以上の結果を総括し学術集会で研究成果を発表するとともに、学術専門誌へ投稿する。
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Causes of Carryover |
令和4年度の研究経費の内訳事項として、システム開発・検証実験に関する人件費・謝金を計上していた。これらの費用はソフトウェア完成後の広報・パンフレット・管理費が必要となる令和5年度に請求となるため、残額を令和5年度に繰り越しとした。
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Research Products
(4 results)