2022 Fiscal Year Research-status Report
脳卒中の手の障害に対する介助型ウェアラブルデバイスを用いた在宅訓練の確立
Project/Area Number |
21K11254
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
園田 悠馬 神戸大学, 保健学研究科, 特命准教授 (00584179)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 在宅作業療法 / 在宅物理療法 / 脳卒中 / 上肢障害 / 電気刺激療法 / ロボット療法 / ウェアラブルデバイス |
Outline of Annual Research Achievements |
脳卒中は高齢者医療費および要介護要因の首位である。脳卒中患者の運動機能障害や生活機能障害を最大限回復させることは社会的課題であり、自立生活する機能的能力と生活の質を回復させるうえで、上肢障害へのリハビリテーションの発展が重要である。高齢化とともに入院期間の短縮化および在宅復帰の早期化が進むなかで、近年では、上肢障害に対しては随意運動介助型電気刺激療法とロボットアシスト訓練を用いた作業療法が注目されている。 そこで、本研究課題は、脳卒中後の手の障害に対し、物理療法を併用した在宅作業療法について、随意運動介助型電気刺激療法とロボットアシスト療法のどちらの療法がより有効か明らかにすることを目的とし、クロスオーバー比較試験を計画している。 2021年度から、在宅患者を対象とした調査を開始する予定であったが、COVID-19拡大により、患者との接触が大きく制限された。そこで、研究者を被験者に随意運動介助型療法およびロボットアシスト療法の機器の使用条件や性能について検討し、操作や装着等は専門知識が無くても簡便行えること、痛みや皮膚トラブルが無く3時間の装着が可能であることなどが確認できた。 さらに、2022年度は、老人保健施設と回復期リハビリテーション病棟の作業療法において、脳卒中片麻痺患者での両療法のウェアラブルデバイスの試用し、各療法の適用となる患者像を確認できた。そして、在宅でのウェアラブルデバイスを用いたクロスオーバー比較試験の実行可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究課題が在宅患者を対象としているため、COVID-19の蔓延によって対象者への接触が大きく制限されたことが大きな影響を与えている。ただし、申請時からこのような状況を予想していたため一定の想定範囲内である。この遅延期間に、機器の条件検討や実施施設の整備などをあらかじめ行うことができた。なお、研究者の異動で研究環境面の再整備を要したが、この点もこの1年間で進捗することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、随意運動介助型電気刺激療法とロボットアシスト療法のクロスオーバー比較試験を実施する。COVID-19のパンデミックは終息に向かっており、また研究環境も完備できたことから、2023年度以降は速やかに研究遂行できると考えている。これまでに行った予備調査から得られた知見は、学会発表等を準備中である。
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Causes of Carryover |
COVID-19にて会議や学会等の出張が制限され、一部はオンラインで開催されたことにより、旅費が抑えられた。現地開催の学会等が再開されてきており、学会の年会費や参加費を含めて、計画通り旅費を使用していく。
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