2021 Fiscal Year Research-status Report
STIM1に着目した心リハ効果の分子機構の解明と相乗効果が期待できる薬物の探索
Project/Area Number |
21K11255
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Research Institution | Osaka Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
永塚 健宏 大阪医科薬科大学, 研究支援センター, 特別職務担当教員(助教) (10860083)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝日 通雄 大阪医科薬科大学, 医学部, 教授 (10397614)
横江 俊一 大阪医科薬科大学, 医学部, 助教 (40454756)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 心不全 / 心臓リハビリ / トレッドミル運動 / 骨格筋 / STIM1 / AMPK |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度の研究計画は、野生型のマウス(週齢10-12, 25-28g)を用いて大動脈弓結索手術(TAC)を行うことにより、慢性心不全モデルマウスを作製し、手術後2週間経過後、心不全病態の発症を確認したのち、マウス用トレッドミル装置で運動負荷を行う。最適な運動プロトコールを作成後、各マウス群について心機能、リモデリングに与える影響を検討する。まず始めに偽手術のマウス、TACマウス(運動アリ)、TACマウス(運動なし)の実験群で運動プロトコールを設定して、運動後4週間(1週毎)の心エコー測定のモニタリングにより運動による心機能の改善を確認し、4週後に安楽死させ、心臓組織の線維化をマッソントリクローム染色により評価したところ、心臓の線維化において有意な軽減が確認された。WGA染色によって心筋細胞サイズの大きさを比較したところ、同様に改善が見られ、運動効果が認められた。次に、運動強度の違いによる心機能改善効果を検討した。運動効果が認められたプロトコールをスタンダード(4m/min, 4min, 8m/min, 8min, 12m/min, 30min;勾配なし)とし、それより低強度(4m/min, 42min;勾配なし)、高強度(4m/min, 4min, 8m/min, 8min, 12m/min, 30min;勾配20°)で走行させた。その結果、まだ有意差が得られていないものの、平均値において運動強度による心機能の改善効果に違いが表れており、現在、追加実験を行っている。同時に骨格筋においても解析を始めており、心筋と同様に、運動による分子レベルの変化などについて検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初はSTIM1ノックアウトマウスを使用する予定だったが、病態発症以前に遺伝子の差が生じているので、実験群の設定、解析が複雑になる。そのためアデノウイルス随伴ベクターを用いて、後天的に心筋特異的にSTIM1をノックダウンする方法に切り替えた。まだ効率的なベクターが完成しておらずSTIM1の解析を行っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
運動強度の違いによる心機能改善に与える影響を追加実験しているところで、更に骨格筋の解析も行う。このデータが集まってくるころにはアデノウイルス随伴ベクターも完成しているので、順調に研究が遂行できると考えている。
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Causes of Carryover |
当初の計画より早い段階で運動プロトコールの確立が達成できたために使用するマウスの数を削減する事ができたため、次年度使用額が生じた。しかしながら、次年度で本研究で重要な分子となるターゲットの抗体をオーダー作製している。この作製費用が一般的な抗体の価格の4倍近い価格になっており、この費用等に研究費を使用する。
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