2023 Fiscal Year Research-status Report
サルコペニア患者に対する腸内細菌叢への介入による効果的な運動療法の開発
Project/Area Number |
21K11261
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石津 洋二 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (90648734)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本多 隆 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (10378052)
梅垣 宏行 名古屋大学, 未来社会創造機構(医), 教授 (40345898)
山本 健太 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (80852582)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | サルコペニア |
Outline of Annual Research Achievements |
サルコペニアを合併した肝硬変患者に対する腸内細菌叢をターゲットとした治療法の開発を目標に、R3年度は運動栄養療法の効果と関連する腸内細菌叢について検討を行い、アミノ酸合成に関連する遺伝子量の違いがあることを見出した。またR4年度は食欲とサルコペニアとの関連について検討を行い、食欲低下はサルコペニアの重要な因子であることを明らかにした。これまでの検討により、食事摂取量や栄養、特にアミノ酸に関連する腸内細菌がサルコペニアと関連していることが明らかとなった。 サルコペニア患者に対する運動栄養療法の有用性は明らかになっているが、その適応については明らかになっていない。そこでR5年度は運動栄養療法の適応について検討を行った。運動栄養療法を行った症例のうち、効果が認められた症例では運動療法のアドヒアランスが維持されていた。そこで、アドヒアランスに寄与する因子について検討したところ、アドヒアランス不良群は全例、筋肉量、筋力、身体能力のすべてが低下した重症サルコペニアであった。次に、運動栄養療法の継続性についても検討を行った。運動栄養療法介入後3か月の時点において、運動栄養療法終了後も運動を継続した症例では運動を継続していない症例に比べ、筋力が維持されていた。これらの事から、サルコペニアに対する運動栄養療法は、サルコペニアが重症化する前に早期に介入する必要があり、さらに運動習慣をつけ、運動栄養療法を継続させることが重要であることが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
R3年度の研究結果から、腸内細菌叢の構成がサルコペニアに影響を及ぼす可能性がある。当初はプレバイオティクスによる介入を検討していたが、R3年の検討により、特定の腸内細菌叢ではなく、複数の細菌叢がサルコペニアに影響することが示唆されており、プレバイオティクスで適切な腸内細菌叢を構成することは困難と考えた。一方で、運動栄養療法自体が腸内細菌叢に与えるという報告がなされている。そこで、R6年度は運動栄養療法による腸内細菌叢への影響について検討を行う。
|
Strategy for Future Research Activity |
運動栄養療法介入前、介入終了時、終了後3か月の時点での腸内細菌叢を解析し、その変化を解析し、運動栄養療法が腸内細菌に与える影響について明らかにする。さらに、運動療法の効果、骨格筋細胞の増殖や代謝に関連する因子との関連性についても検討を行う。
|
Causes of Carryover |
当初はプレバイオティクスによる腸内細菌叢への介入を計画していたが、これまでの検討で当初想定していた腸内細菌叢と運動栄養療法との関連性が認められなかった。そのため、想定していた研究に伴う予算が次年度に持ち越しとなった。
|
Research Products
(2 results)