2022 Fiscal Year Research-status Report
リハビリテーション評価および治療に使用するための呼吸器シミュレーションモデリング
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21K11267
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
木戸 聡史 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (50513214)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 呼吸リハビリテーション / シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
呼吸リハビリテーションは、呼吸筋や四肢体幹に対する運動療法などにより、運動能力の向上、呼吸困難および生命予後の改善が得られることが明らかである。しかしながら多くの介入手法において、介入内容を最適にすることに困難さがある。これは、現状の運動療法研究が生体計測結果に基づくものが多いことが一因として考えられる。本研究では生体における研究の課題を飛躍的に解決できる可能性があるコンピュータシミュレーション技術を活用して、呼吸リハビリテーションに使用する呼吸器モデルを構築することを目的としている。 当該年度は前年度に作成した健常成人における胸郭3Dジオメトリを用いて、呼吸筋機能を呼吸運動の面からシミュレーションすることができる有限要素モデリングを行い、関節運動・評価ポイント・固定条件などの側面から定性的検討を行った。ファーストステップとして呼吸筋として頸部の吸気補助筋を作成し、骨と軟骨から形成された胸郭の変位実験を行った。提案したモデリングでは、通常運動学的に観察されるpump-handle-motionとみられる運動が引き起こされた。さらに、運動への影響が大きいと考えられる肋椎関節の設定や変位評価のランドマーク作成および固定条件の検討を繰り返し行った。結果として、本提案手法により特に上部胸郭の前後および体軸方向の運動再現がなされることが確認された。今回モデル化した手法では限定した呼吸筋の機能を評価できることに加え、今後他の呼吸筋による検討を実現できる可能性も示している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
シミュレーションにより呼吸筋による呼吸運動を引き起こすことができた。今回再現した吸気補助筋同様に、他の呼吸筋においても同様の手法が適応できる可能性も示された。
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Strategy for Future Research Activity |
当該年度は頸部の吸気補助筋の再現ができたが、今後は胸郭運動への貢献が大きい他の呼吸筋の構築や胸郭運動の結果生じる換気量推定の検討へ進める予定である。
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Causes of Carryover |
当該年度に実施した内容については前年度に引き続き既存のワークステーションにおいて解析可能であったため、購入を見送った。また予定していた学会発表にかかる経費が見込みより減少した。翌年度の計画では演算量が大幅に増える見込みであるため、新たなワークステーションの購入が必要となる。
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Research Products
(3 results)