2023 Fiscal Year Annual Research Report
加速度トレーニングによる心不全患者の運動耐容能と血管内皮機能向上に関する研究
Project/Area Number |
21K11270
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
斎藤 俊輔 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任准教授(常勤) (30600126)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 敏明 獨協医科大学, 医学部, 特任教授 (50227790)
八木 博 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (70296177)
福田 宏嗣 獨協医科大学, 医学部, 教授 (70526269)
柴崎 郁子 獨協医科大学, 医学部, 教授 (80438689)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 加速度トレーニング / 心不全 / 血管内皮機能 / 心臓リハビリテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
開心術後の患者に加速度トレーニングを施行した際に、①安全性②通常のリハビリよりも効果が高くなるかどうか③血管内皮機能が改善するか、を検討した。患者の同意が得られ手術加療に伴う入院中の術前後のデータが確実に得られた73例(加速度トレーニング群39例、コントロール群(通常の心臓リハビリテーションのみ)34例)の比較検討を行った。加速度トレーニングは通常の開心術後の心臓リハビリテーションの時間内に週3回約10分程度行われた。2群間において年齢、性別、体格、併存疾患やリスクファクターに関して有意差は認めなかった。また施行術式並びに手術時間や輸血量に関しても2群間で有意差は認めず、術後の集中治療室滞在期間や在院日数に関しても有意差は認められなかった。 加速度トレーニングは39例に行われたが、振動による不快感やバイタルサインの変動などで施行不可能になる症例は認められず、加速度トレーニングによる合併症は認められなかった。手術侵襲に伴い入院時と退院時の身体機能(SPPB:Short Physical Performance Battery)・筋力(膝伸展力)・筋量(エコーによる大腿四頭筋厚)に関しては両群共に退院時に低下傾向となった。しかしながら、加速度トレーニング群において身体機能・筋力・筋量共に低下量に関して軽減される傾向が得られ、特に筋量に関しては有意にコントロール群に比べて保たれることが明らかとなった。一方で血管内皮機能に関しては両群で人工心肺使用手術後に悪化傾向となったが、退院時には両群共に同等に改善傾向が得られており、差は認められなかった。 本研究により開心術後の患者に対して加速度トレーニングは十分安全に施行できることが確認され、約2週間という短時間において、加速度トレーニングを行うことによって術後の身体機能・筋力・筋量低下を最小限に留めることが可能であったことが研究成果である。
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