2023 Fiscal Year Research-status Report
2レーン式トレッドミルを用いた転倒予防練習の運動解析と治療アルゴリズムの開発
Project/Area Number |
21K11277
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
脇田 正徳 関西医科大学, リハビリテーション学部, 助教 (70890888)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 高齢者 / バランス / 転倒予防 / 運動解析 / 予後予測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、健常高齢者60名の2レーン式トレッドミルを用いたバランストレーニング中のパフォーマンスについて、マーカーレス式3次元動作解析装置によるデータ解析を行った。解析指標として、5つの移動方向(前方、後方、側方、斜め前方、斜め後方)ごとの所要時間、体重心の総軌跡長、Jerk Index、移動方向へのピーク速度までの時間などを抽出した。バランス能力によるパフォーマンスの違いを検証するために、Community Balance and Mobility Scaleで対象者をバランス良好群と不良群に分類し、両群のパフォーマンス指標の違いを検証した。その結果、バランス不良群では、側方、斜め前方、斜め後方移動の所要時間が有意に長く、レーン移動に伴う下肢蹴り出しや、対側レーン着地後のバランス制御が困難であることが明らかになった。また、側方、斜め前方移動時のJerk Indexが有意に高く、ベルト速度に応じた歩幅調整が困難であることが明らかになった。一方、後方移動時は、バランス不良群の方が所要時間や総軌跡長が小さく、減速による身体の後方移動よりも上肢リーチで制御していると考えられた。 本年度は、通所リハビリテーションに通う要支援、介護者に対する12週間のトレーニング介入の症例数も蓄積した。対象施設を1施設増やし、現在30名までリクルートし、トレーニング介入と前後でのパフォーマンス計測を完了している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
通所リハビリテーションの利用者に対する、2レーン式トレッドミルトレーニングへのリクルートに難渋している。2023年5月に新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行されたが、対象施設で包含基準を満たす症例数が当初の想定よりも少なかったため、目標数に到達しなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
対象施設の追加を行ったため、トレーニングのリクルート者数の増加が期待できる。施設スタッフとの連携を密にとり、40名の計測完了を目指す。
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Causes of Carryover |
研究成果発表の一部を次年度に延期したため、未使用額が生じた。次年度は研究を完了させ、未使用額を使用する計画である。
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