2023 Fiscal Year Annual Research Report
感覚障害に対するリハビリテーションの効果判定に利用できる定量的・客観的指標の開発
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21K11289
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
村田 潤 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 准教授 (00304428)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 伸 京都橘大学, 健康科学部, 教授 (00389503)
古後 晴基 令和健康科学大学, リハビリテーション学部, 教授 (90640821)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 手指感覚識別能力 / 手指皮膚血流量 / 手指触圧覚閾値 / 感覚障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳卒中にともなう身体機能障害では,運動麻痺以外にも50-85%の患者が体性感覚の機能障害を併発すると報告されている.中枢神経疾患にともなう感覚機能の異常も感覚情報処理時にみられる循環調節機能の特性変調に関連する可能性があるとともに,感覚障害の重症度と関連があるかもしれない.そこで本研究では,点字解読経験のない脳卒中片麻痺者16名でみられる手指感覚識別時の手指皮膚血流量の変動と感覚障害の重症度の指標となる手指触圧覚閾値との関連性について検討した.手指感覚識別課題として点字解読課題を用い,課題遂行時の手指皮膚血流量の応答特性を麻痺側と非麻痺側の両方で計測した.さらに,手指感覚閾値の測定にはSemmes-Weinstein Monofilamentsを使用し,麻痺側と非麻痺側の示指を測定部位とした.結果として,Semmes-Weinstein Monofilamentsを使用して測定された麻痺側,および非麻痺側における示指の触圧覚閾値はそれぞれ3.89±0.76 log・force,3.00±0.38 log・forceであり,麻痺側において高値を示した.さらに,麻痺側の手指触圧覚閾値と点字解読時にみられる血流応答量の間には正の相関関係(rs=0.55, p<0.05)が認められた.これらの研究成績は,中枢神経疾患にともなう感覚機能の異常は手指触圧覚の感覚感度減弱に影響を及ぼすとともに,その感覚障害の重症度は感覚識別時の循環応答特性の変化に反映する可能性が示唆された.
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Research Products
(1 results)