2021 Fiscal Year Research-status Report
リズム聴覚刺激による歩行再学習に伴う筋協調システムの形成基盤の解明
Project/Area Number |
21K11298
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
土屋 順子 東京工科大学, 医療保健学部, 助教 (40781985)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 智史 順天堂大学, 保健医療学部, 先任准教授 (20594956)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | リズム聴覚刺激 / 運動学習 / 筋シナジー / 歩行訓練 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、リズム聴覚刺激(RAS)歩行トレーニングの効果促進に関わる神経基盤を特定し、歩行運動技能の学習が難しい、速い歩行リズムでの歩行トレーニングに対して有効な訓練方法を確立するための知見を得ることである。 令和3-4年度は、第一実験として、歩行リズムの調節に関与する下肢筋の特定を進めている。令和3年度は、健常成人を対象に2種類(速いリズム、遅いリズム)でのリズム聴覚刺激歩行トレーニングを実施し、簡易歩行分析装置を用いて歩行リズム、ステップ長、歩行速度を記録するとともに、無線筋電図を用いて歩行中の下肢筋電図を記録し、得られた下肢筋電図から下肢筋シナジーを抽出することで、歩行リズムの違いによる筋シナジーの変化を調査している。 これまで、リズム調整に関与する下肢筋については、下肢筋電図の開始時間や持続時間を用いて解析が行われているが、どの筋がリズム調節に関与しているのかは明らかになっていなかった。歩行は複数の下肢筋群が協調して働くことで動作が実行されているため、これまでのような各筋での筋活動の解析では限界があったと考え、今回は新たな解析手法として筋シナジーに着目している。 現在までに、健常者のデータの半数程度を取得し終え、筋シナジーの比較に最適な解析手法について検討するとともに、データ収集を継続している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究の進捗が遅れている理由として、covid-19の感染拡大により、本研究の対象である本学学生への実験実施が制限されたこと、また、経頭蓋磁気刺激装置を用いた実験の実施予定施設への県をまたいだ移動や学内への入構に制限があったためことが挙げられる。また、筋シナジー解析に必要なプログラムの作成と調整や、最適な解析手法の検討に時間を要していることも一因である。
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Strategy for Future Research Activity |
covid-19の感染状況が落ち着き次第、速やかに実験を再開、継続していく。また、現在、筋シナジーの解析に最適な手法を検討中であるが、確立後は、円滑に進行していくものと考えている。
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Causes of Carryover |
未使用分が生じた理由は、信州大学より借用していた簡易歩行分析装置を継続して使用できたため購入を見送ることとしたためである。未使用分の一部は、筋シナジー解析に必要なプログラム作成に使用した。 助成金の未使用分は、次年度以降にデータ収集を予定している脳卒中患者の歩行時筋活動は、左右非対称となるため両側下肢からの筋電図記録が必要となる。そのため、両側下肢からの筋電図記録が可能なマルチファンクションデバイスの購入や、今後の解析プログラム修正と新たなプログラム作成に使用する。
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