2021 Fiscal Year Research-status Report
扁平足のタイプ別に基づく足部ランニング障害の発生機序と治療法の解明
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21K11300
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
久保 雅義 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 教授 (50460332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高林 知也 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 講師 (00780339)
須田 裕紀 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 講師 (20567200)
江玉 睦明 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 教授 (20632326)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 扁平足のタイプ / 足部内運動 / 足部内モーメント / 足部障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
今回の本申請課題は,扁平足をRigidとFlexibleの2つのタイプに分類し,タイプによって足部ランニング障害の発生機序および治療法が異なるかを解明するものである.障害の発生機序を解明するアウトカムとして,下肢関節間の運動連鎖や足部内で生じる関節モーメント(距腿関節・ショパール関節・リスフラン関節)に着目し,解析を実施した. 初年度では,まず扁平足と正常足でランニング中の下肢関節間の運動連鎖や足部内モーメントが異なるかがこれまで明らかになっていなかったため,扁平足と正常足を対象に研究を着手した.下肢関節間の運動連鎖に関して,正常足と扁平足ではランニング中の運動連鎖は異なると予想していたが,予想とは異なり,群間で運動連鎖に違いは認められなかった.この結果は,2021年度の第26回日本基礎理学療法学会学術大会で公表した.しかし,扁平足群のなかで運動連鎖の強さにバラつきが認められたため,扁平足のタイプがより重要になると考え,現在扁平足のタイプで運動連鎖の違いを検証している.また,扁平足をタイプ分類し,ランニング中の足部内運動も検証したところ,FlexibleタイプがRigidタイプと比較して,より過剰に足部内運動が生じていることが明らかになった.この結果は,2022年度の学会に演題登録予定である. 足部内モーメントに関しても,扁平足と正常足でランニング中の足部内モーメントを比較したところ,リスフラン関節モーメントが扁平足で有意に高値を示すことが明らかとなった.この結果は,扁平足者に足部障害が生じやすい一因を示していると考えられる.この結果は2022年度の学会で公表予定であり,既に演題登録している(第26回日本基礎理学療法学会学術大会).現在,扁平足のタイプ別での足部内モーメントと足圧の違いも検証しており,この研究結果も学会に登録予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
正常足と扁平足を対象に足部内運動や足部内モーメント,さらには下肢関節間の運動連鎖を既に解析し,公表あるいは公表予定としている.このデータをベースに,扁平足をタイプ分類して足部内運動や足部内モーメント,運動連鎖も再検証し,解析も実施している.さらに,我々が作成した扁平足のタイプを分類する基準値も既に国際誌にアクセプトされており,被験者のリクルートもできているため,おおむね順調に進んでいると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
既に正常足と扁平足を対象に足部内運動や足部内モーメント,さらには下肢関節間の運動連鎖を検証できており,扁平足のタイプ別での検証も進めているため,今後はサンプルサイズを増やし,解析を継続する.現在,ランニングスピードを固定した状態で課題を行っているが,様々なランニングスピードでもランニング課題を行い,アウトカムの違いを検証していく予定である.
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Causes of Carryover |
元々購入予定していた物品費やソフトウェアの購入金額が低く,12,947円が残額となった.次年度は,実験に必須な反射マーカーなどの消耗品費にこの金額を充てる予定である.
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Research Products
(1 results)