2023 Fiscal Year Research-status Report
肘部管症候群における術中末梢神経電気刺激療法ー神経再生とBDNF遺伝子多型ー
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21K11304
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
蜂須賀 明子 産業医科大学, 医学部, 助教 (90646936)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山中 芳亮 産業医科大学, 医学部, 講師 (60644862)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 肘部管症候群 / 電気刺激療法 / 神経再生 / BDNF / MUNE |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、しばしば十分な機能回復を得られない絞扼性神経障害において、①末梢神経再生に有効とされる電気刺激療法を本邦の医療現場に適する「術中」末梢神経電気刺激療法として国内で初めて導入し、末梢神経再生や機能回復を促進させるか否か、②アジア人で保有率が高いとされるBDNF遺伝子多型が末梢神経損傷に及ぼす影響、以上2点を明らかにすることを目的とする。これらは、テーラーメイドな神経再生医療の発展に役立つ可能性がある。 1)肘部管症候群の術中電気刺激療法:令和五年度は、包含基準を満たす12名の参加者が研究参加中(又は2年間(合計4回)にわたるのフォローアップ終了)。術中末梢神経電気刺激療法、MUNE(運動単位数推定法)を含む神経伝導検査などの研究プロトコルは、有害事象なく安全に実施できている。当初の新型コロナウイルス感染症の影響もあり、参加者数が予定より少ない状況である。 2)BDNF遺伝子多型は、測定値の信頼性や費用負担の観点から一括測定が望ましく、全てのリクルート終了後に解析を進める予定である。 3)神経再生を調べる電気生理学的評価・MUNEについて、より有用性や臨床応用性が高い方法を検討するため、国立病院機構箱根病院と共同研究を実施中。成果の一部は、学会発表や論文化を行った。 4)成果の発信:令和五年度は、国内学会等9件(うち招待講演6件)の発表、1編の著書を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまでに、本研究のプロトコルについて倫理委員会に更新の承認を得て、本研究を開始・継続できており、研究プロトコル遂行自体は概ね順調である。 ただし、今年度(3年目)時点で合計12名が研究参加中(又は2年間(合計4回)にわたるのフォローアップ終了)で、研究開始当初の新型コロナウイルス感染症の流行の影響もあり、研究参加者数が予定よりやや少ない。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に変更はないが、研究参加者のリクルートは強化する。 研究計画に沿い、肘部管症候群における術中電気刺激療法の参加者をリクルートと、既参加者のフォローアップ評価を行う。BDNF遺伝子多型の解析は、測定値の信頼性や費用負担の観点から一括測定が望ましく、全ての参加者のリクルート終了後に実施する予定である。
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Causes of Carryover |
(理由) 新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、当初予定よりも研究参加者が少なかったこと、国際学会に現地参加できなかったことがある。また、BDNF遺伝子多型の解析は全リクルート終了後が適切であると判断し、今年度も実施しなかった。以上の理由により、物品費・旅費・人件費・謝礼が当初予算を下回った。 (使用計画) 次年度以降、研究計画に沿い、術中電気刺激療法や評価に必要な物品購入、情報収集や成果発表に関する参加費・旅費、論文化経費(英文校正・投稿料)などに使用する予定である。なおBDNF遺伝子多型の解析は、次年度以降になる見込みである。
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