2021 Fiscal Year Research-status Report
高位脛骨骨切り術前後の患者のランニング中の膝内反モーメントを抑える運動療法の開発
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21K11309
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
大見 武弘 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 理学療法士 (50749190)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳下 和慶 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 准教授 (10359672)
古賀 英之 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (30594080)
池松 幸二 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 理学療法士 (40885646)
片桐 洋樹 獨協医科大学, 医学部, 講師 (50795028)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 変形性膝関節症 / 高位脛骨骨切り術 / 膝内反モーメント / ランニング / 歩行 |
Outline of Annual Research Achievements |
世界でランニングは市民の間で人気のスポーツの一つである。特に中高年代にランニングは身近なスポーツとして親しまれている。ランニング習慣がある中高年代がその習慣を中断する理由の一つとして膝痛が挙げられる。 中高年代において膝痛の主な要因は変形性膝関節症(knee osteoarthritis;膝OA)である。膝OAの治療選択の一つに高位脛骨骨切り術(High Tibial Osteotomy ;HTO)がある。HTO後のランニングは許可されるが、それを断念する患者は少なくない。その理由としてはランニングによる膝へのメカニカルストレスの増大が痛みを再発させることが挙げられる。 本研究では、膝OAの進行を予防しながら(膝内反モーメントを抑えながら)ランニングするための運動療法を開発するために、以下の2点を目的としている;① HTO前後のランニング中の運動学・運動力学の変化を明らかにする;② HTO前後のランニング中の膝内反モーメントと、下肢関節機能や運動学・運動力学的データとの関係を明らかにする。 2021年度はHTO前の対象者をランニング可能なものと不可能なものに分け、身体機能と歩行中のバイオメカニクスを解析した。その結果、歩行中の膝伸展角度と歩行速度がランニング可否の要因となりうることがわかった。この結果を第48回日本臨床バイオメカニクス学会で公表した。これについては、論文執筆中であり、2022年度前半にスポーツ医学系誌へ投稿予定である。さらに、HTO前の対象者におけるHTOを予定される側とその反対側の膝内反モーメントを比較した。その結果、HTOを予定されている反対側でモーメントが大きいことが明らかとなった。また、HTOを予定しる側の膝内反モーメントの力積は股外転モーメントの力積と相関があることが明らかとなった。これらの結果についても同大会で公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19の影響により、手術件数が減少したが、術後1年の対象者に関しても計測できている。目標50例であり、現在術後1年計測者が14名である。今後、増加予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度に解析に必要な筋骨格モデル作成ソフトを本基金で購入した。これの操作・解析法を習得し、現状揃っているデータについて解析を進めていく。術前後においてランニング可能であった者のランニング動作の解析結果を第9回日本スポーツ理学療法学会学術大会に演題登録予定である。これについても論文化を予定している。歩行についても順次計測・解析予定である。
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Causes of Carryover |
学術大会がオンラインになり旅費を計上しなかったこと、人件費がかからなかったため、差額が生じた。この費用は、現在執筆している論文の英文校正費に充てる予定である。
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