2021 Fiscal Year Research-status Report
脂肪酸による骨格筋脂肪化抑制を標的とした心不全サルコペニアに対する栄養療法の開発
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21K11313
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
八木 秀介 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 特任教授 (00507650)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | サルコペニア |
Outline of Annual Research Achievements |
心不全が進行するとサルコペニアと呼ばれる筋肉量減少からカヘキシアという状態となる。この運動耐容能低下は、生活の質のみならず、生命予後不良に関与する。運動耐容能は、心機能のみならず、骨格筋の量と質とに規定され、心臓と骨格筋は心臓・骨格筋連関として深くつながっている。至適薬物療法がおこなわれ、心機能改善のみでは十分な運動耐容能改善が得られない心不全患者においてさらなる運動耐容能改善のためには、骨格筋量と質の改善が治療標的となる。 この骨格筋の質と量の評価のため、今年度は、骨格筋の質の評価のため、MRスペクトロスコピーを用いて、脂質のピーク値により定量化する方法を確立した。この方法による、現在、確立していない骨格筋の脂肪化を評価することが可能となり、筋力低下が進行する前段階前の骨格筋の質の改善につながる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
心不全患者における骨格筋の質の評価方法に関して、MRスペクトロスコピー(MRS)を用いたプロトコールを確立することができている。これらの臨床データをもとに、来年度の動物実験の準備を進めており、現在研究はおおむね順調に進行してると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は動物を用いた実験を行う予定である。冠動脈結紮(TAC)による心筋梗塞後の心不全モデルラットとコントロールラットの大腿筋の脂肪・脂肪酸含有率を動物用MRSにて測定し、実際の組織の脂肪・脂肪酸含有率をメタボローム(リピドミクス)解析を行い心不全ラットの骨格筋における脂肪酸代謝を羅網的に分析し心不全ラットの骨格筋に不足している脂肪酸を同定する実験計画を立てている。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により学会出席し、情報収集や成果を発表する機会が少なかったため、次年度使用が生じた。来年度は、学会出席など可能になると思われ、次年度請求額とあわせて旅費などに使用する予定である。
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