2022 Fiscal Year Research-status Report
Evaluation and diagnosis of running form by inertial sensors and AI
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21K11334
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
榎本 靖士 筑波大学, 体育系, 准教授 (90379058)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 雄太 大阪公立大学, 都市健康・スポーツ研究センター, 准教授 (90747825)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ランニング / 慣性センサー / 足圧センサー / ストライド / 左右差 |
Outline of Annual Research Achievements |
ランニングにおける足部に装着した慣性センサー(IMU)データからランニングの評価パラメータを推定するアルゴリズムをAIを用いて開発した。具体的には、IMUデータの角速度データから足の姿勢を同定し、加速度の2回積分値から足の軌跡を推定している。このときに加速度が0になるところで各歩のデータをリセットして、積分のノイズを除去している。これにより接地および離地の時間を推定するばかりではなく、ステップ長を推定することができる。この研究成果はすでに国際誌に掲載されている。すでに地面反力を推定するアルゴリズムも開発しており、ランニングにおけるさまざまな評価パラメータの推定が可能となった。 足圧センサーから左右差を評価する指標を算出し、その信頼性と妥当性を検討した。同時に腰と足部にIMUを取り付け、今後はIMUデータのみから左右差を評価する指標を開発する。IMUを用いる長所として、ランニングフォームを長時間にわたって計測できることにある。従来のバイオメカニクス的手法では限界のあったランニング障害との関係も評価できる可能性を確認しており、大きな科学の革新となりつつある。 これらのデータおよび研究成果は海外の共同研究者であるオレゴン大学のMike Hahn教授ともディスカッションしており、国際共同研究も加速している。コロナにより制限があったものの、今年度にはようやく渡航して対面による研究も再開することができた。本研究プロジェクトのゴールを設定し、新たな研究計画を立案している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究のメインとも言える慣性センサーデータとAIを用いたランニング評価パラメータの推定の一部をまとめて論文にして国際誌に掲載された。これは研究分担者の鈴木がオレゴン大学に留学していたため、大きな進展となった。また海外の共同研究者であるMike Hahn教授とオンラインでのミーティングを月1回の頻度で実施できたため、研究の方向性や実行性を質高くおこなうことができた。研究代表者と分担者ともに、IMUデータの取り扱いに十分に慣れることができ、アルゴリズム開発に力を注ぐことができたことも大きい。そして、IMUの利点を活かしたランニングの評価を検討することができ、従来のバイオメカニクス的手法による評価パラメータを推定するよりも、IMU独自の評価パラメータを推定することに、研究の価値を見出すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
ランニングにおいて左右の動きがランニング障害との関係では取り上げられることが多い。この左右の動きを腰に装着したIMUから推定する方法を検討している。これを研究論文としてまとめて本研究の独自性と今後の新たな研究の方向性を見出そうとしている。また大きな研究推進として、インソールセンサーや小型の慣性センサーの開発にもかかわってくるため、これらの研究動向を確認しながら海外共同研究者との情報交換を積極的におこなう。さらに大きな研究プロジェクトも準備を進める。海外ではセンサーの開発と身体運動への適用、さらには社会実装が同時にプロジェクトとして進んでいる。幸いセンサーを開発する企業と共同研究もおこなっているため、比較的早いタイミングでセンサー技術を応用できているが、さらなるセンサー開発や適用を検討する必要がある。
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Causes of Carryover |
初年度にコロナの影響により研究が進められない部分があり、大きく遅れてしまった。今年度はすでに研究を当初計画通りに戻すことができた。経費については初年度の影響により残予算ができてしまっているが、使用は概ね計画通りである。
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