2023 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病が骨格筋の易疲労性を引き起こす血管内皮依存性メカニズムの解明
Project/Area Number |
21K11358
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
曽野部 崇 日本医科大学, 医学部, 講師 (70548289)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
Pearson James 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 部長 (30261390)
土持 裕胤 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (60379948)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 血管内皮細胞 / 非神経性コリン作動系 / コリンアセチルトランスフェラーゼ / 運動トレーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,肥満・糖尿病といったメタボリックシンドロームにおいては,なぜ骨格筋疲労が生じやすいのかという問いに対し,血管内皮細胞を起点とした骨格筋収縮時の血管・血流調節系がどのように変化しているかについて明らかにすることを目的としている. 最終年度は,外的ストレスに応答して内皮機能を局所的に調節するとされている非神経性のコリン作動系(non-neuronal cholinergic system)に焦点を当て,特に内皮細胞自体が産生する血管拡張物質アセチルコリンによる血管調節機能への寄与について検証した.内皮細胞内でのアセチルコリン産生が抑制される内皮特異的コリンアセチルトランスフェラーゼ欠損マウスを用いた予備実験では体血圧の上昇が観察された.また同マウスでは走運動能力の低下が疑われたことから,内皮由来アセチルコリンの役割について,病態下での関与も含めて更なる検証が必要であると考えられた. 研究期間全体としては,(1)新たに確立したin vivo機能的血管イメージングと下肢血流の同時測定により,筋収縮に伴う血管調節機能の評価を行った.本手法を用いて,小動物における下肢血管の網羅的な機能評価が可能となり,局所における血管調節系が病態下でどのような変化を受け,さらに運動トレーニングは内皮由来過分極に起因する血管拡張能を改善することが示唆された.また(2)内皮局所において産生されるアセチルコリンと,内皮機能障害との関連を示唆する結果が得られており,今後詳細に検証していく.
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