2021 Fiscal Year Research-status Report
スマートウォッチによってジャンプ運動中のバネ的振る舞いを評価するシステムの開発
Project/Area Number |
21K11381
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Research Institution | Nippon Sport Science University |
Principal Investigator |
大塚 光雄 日本体育大学, 体育学部, 准教授 (20611312)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊坂 忠夫 立命館大学, スポーツ健康科学部, 教授 (30247811)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ウェアラブル・コンピュータ / 慣性測定センサユニット / 地面反力 / 動力学 / スポーツパフォーマンス |
Outline of Annual Research Achievements |
スポーツ動作のパフォーマンス測定の簡易化は,これまでテクノロジーの進化に伴って行われてきた.これまでの先行研究では,汎用性の高い機器で身体動作のパフォーマンスを測定評価することができるデバイスの多くは,スマートフォンであった.一方,近年,慣性測定センサユニット(以下,IMU)を内蔵させたスマートウォッチが普及され始め,それを活用したアプリケーションが開発され始めた.このような研究は,現在,スポーツ科学分野においても開発が求められているウェアラブル・コンピュータを生かした新しい研究であると考える. どのスポーツにおいても,全身のバネ的な振る舞いによって身体動作が行われる.本研究では,ウェアラブル技術を活用し,力学的変数によって誰でも簡単にこのダイナミックな振る舞いを測定・評価できるシステムを開発することを目指した.そこで、まず令和3年度では,予定通り,「スマートウォッチを用いて力学的変数を推定した値の妥当性検証」に取り組むことにした. 実験試技は,スクワットジャンプ,カウンタームーブメントジャンプ,3種類のジャンプ頻度(最大跳躍,2.2Hz, 3.0Hz)でのホッピング運動の計5種類とした.ハイスピードカメラによって全身の関節の座標位置,フォースプレートによって地面反力,スマートフォン,スマートウォッチ内にあるIMUによって加速度データを取得した.分析項目は,キック時間,滞空時間,地面反力鉛直成分のピーク値,接地期における身体合成重心の鉛直変位,リバウンドジャンプ(RJ)指数および脚スティッフネスの力学的変数とした.分析では,従来のゴールドスタンダードな測定方法であるハイスピードカメラと地面反力計で求めた値,IMUで求めた値,スマートフォンで求めた値およびスマートウォッチで求めた値の4つを比較することにした.現在,これらの測定サンプル数を増やしている段階にある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染拡大のため,被験者を集めることに困難している状況にあるため,サンプル数を増やすことに時間がかかっている.
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Strategy for Future Research Activity |
上記した研究課題の進捗状況は少し遅れているものの,令和4年度から予定をしていた他の3つの研究課題(専門種目,発育段階に応じた力学的変数の標準値の取得,力学的変数から陸上競技の最終パフォーマンスを推定する回帰式の取得,スマートウォッチを用いて力学的変数を評価するアプリケーションの開発)と同時に実施することで,研究期間内に研究内容を完結させる予定でいる.
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Causes of Carryover |
当初予定していたフォースプレートを購入し、500円の金額を令和4年度へ繰り越すこととなった。この500円は次年度において、フォースプレートを固定する際に必要な消耗品を購入するために使用する。
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