2022 Fiscal Year Research-status Report
形態的・機能的特徴からひも解く高齢者の骨格筋調整機序の確立:健康長寿社会に向けて
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21K11383
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Research Institution | Morinomiya University of Medical Sciences |
Principal Investigator |
佐野 加奈絵 森ノ宮医療大学, 医療技術学部, 講師 (30762273)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 昌紀 大阪体育大学, 体育学部, 教授 (20513881)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | Aging / muscle-tendon behavior / SSC / 筋内脂肪 / 健康寿命延伸 / ロコモーション |
Outline of Annual Research Achievements |
加齢に伴い筋萎縮や腱の形状変化が起こるとされているが,これらの形態的・機能的変化が高齢者特有とされる神経筋活動や筋動態に影響を及ぼすのかについては未だ明らかでない.これまでの研究では,歩行中において高齢者は共縮筋活動がおこること,また,歩行接地中に筋の等尺性収縮による力発揮がみられることなどが報告されているが,この現象がおこる理由に関しては推測の域を出ず不明瞭な部分が多い.また近年では,高齢者でみられる筋内脂肪の蓄積と神経筋機能には関係があるとも言われており,筋内脂肪量と筋-腱の機能的特性や筋腱動態との関係についても調査する必要がある.特に,走運動やジャンプ運動といったダイナミックな動作中のアキレス腱-筋動態および神経筋活動と筋腱における形態・機能の変化について調査することで,高齢者でみられた筋-腱動態をより顕著に確認することができ,高齢者の骨格筋調整機序について明らかにすることが出来ると考える.これらを解明することは,リハビリテーションや高齢者へのトレーニングだけでなく,様々な分野に応用できる知見となる.また,加齢による筋内脂肪の蓄積が神経筋機能へ及ぼす影響についての知見も,生活習慣病予防で高齢者に提供するプログラムにも役立つと考える. 本研究では,様々な身体活動レベルの高齢者を対象とし,様々な筋-腱の形態的・機能的特徴をもつ高齢者における骨格筋調整メカニクスと,それらを可能とする筋内脂肪や筋・腱形態的特徴との関係から,高齢者特有の動作出現機序について検証することを目的とする.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
超音波装置を用いた筋内脂肪定量化に関する論文は現在投稿中.ただし,機材トラブルが生じたことで高齢者を対象とした筋腱動態の測定に遅れが出ている.今後,トレッドミルではなく,地面反力板を用いた動作測定方法へ切り替え,早急に測定を開始する手筈を整える.
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Strategy for Future Research Activity |
3年目に入り,共同研究者による投稿中論文の掲載と代表者による高齢者の形態的特徴と運動習慣に関する論文投稿を目指す.同時に,高齢者と対照群の若年者を対象としたジャンプ運動中の筋腱動態測定を実施していく.年内には実施を終え,投稿・掲載を目指す.また,超音波装置による筋内脂肪定量化に関する論文が掲載され次第,そちらの測定も合わせて実施し,来年度中には大まかな測定の終了を目指す.
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Causes of Carryover |
covid-19における社会情勢を鑑み,様々な高齢者に参加していただくダイナミックな身体運動中の筋腱動態の調査をすることを自粛していたため,そのための謝金と消耗品代の使用が出来ず,次年度使用額が生じた.これらについては次年度中に実施するため,その際の謝金と表面筋電図に関する消耗品代として使用を計画している。
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