2021 Fiscal Year Research-status Report
レジスタンストレーニングは加齢に伴う神経筋接合部の消失を防ぐか
Project/Area Number |
21K11385
|
Research Institution | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
Principal Investigator |
蒔苗 裕平 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 総合教育学群, 准教授 (00706632)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鴻崎 香里奈 日本体育大学, 保健医療学部, 助教 (30739769)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 神経筋接合部 / レジスタンス運動 / mTORC1 |
Outline of Annual Research Achievements |
神経筋接合部(NMJ)は、神経と筋の間の情報伝達部であり、加齢に伴い変性・消失する。レジスタンストレーニングは、有効なサルコペニア対策として従来より用いられているが、NMJにもたらす効果については不明な点が多い。近年、mTORC1がNMJ形成に重要な役割を持つ可能性が示されているが、運動によるmTORC1活性化がNMJ形成に及ぼす影響は明らかになっていない。そこで本年度は、レジスタンス運動後のmTORC1活性化とNMJ関連因子の関係について検討した。 麻酔下において、11週齢のSprague-Dawley系雄ラットの右後肢腓腹筋に対して経皮的電気刺激を与え、等尺性最大筋収縮を引き起こした(3秒×10回収縮×5セット,セット間休息5分)。筋収縮後に筋サンプルを採取し、ウエスタンブロッティング法およびRT-PCR法を用いてmTORC1活性とNMJ形成に関連する因子について検討した。その結果、レジスタンス運動はmTORC1の活性化およびアセチルコリン受容体サブユニットの発現変動およびNMJ形成に関与する因子の発現変動を引き起こすものの、それぞれの事象が生じるタイミングは一致しなかった。このことから、レジスタンス運動後のアセチルコリン受容体サブユニットの発現変動はmTORC1活性化と独立して生じる可能性が示された。この仮説を検証するため、レジスタンス運動とmTORC1阻害剤投与を組み合わせた検討を現在行なっている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験動物や運動モデルについて再検討が必要となったため。
|
Strategy for Future Research Activity |
mTORC1阻害剤やmTORC1とmTORC2の両方を阻害する薬物を用いた検討を行い、レジスタンス運動後のmTORシグナル活性化とNMJ関連因子活性化との関係について検討する。さらに、老齢動物を用いた検討に向けての準備を行う。
|
Causes of Carryover |
現存の消耗品等を用いたため差額が生じた。次年度は対面型の学会開催が予定されているため、旅費として使用する計画である。
|