2021 Fiscal Year Research-status Report
糖尿病患者における水中運動が腎動脈血流量に及ぼす影響
Project/Area Number |
21K11389
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
小野 くみ子 神戸大学, 保健学研究科, 助教 (30467667)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木戸 良明 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (10335440)
小野寺 昇 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (50160924)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 腎動脈血流 / 水中環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】研究課題1は、運動時腎血流の観点から水中運動の利点を明らかにするために、水位の違いが若年健常成人における安静座位時の腎動脈血流に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。 【方法】対象は、健常若年成人男性22名(年齢23.0±1.2歳:平均値±標準偏差)であった。陸上(L)椅子座位安静をとった後、水槽内に移動し、水中椅子座位安静をとった。水中安静時の水位は、大転子(TM)、剣状突起(XP)、頸切痕(JN)と漸増させた。測定項目は、椅子座位安静中の腎動脈血流動態:時間平均血流速度(Vm)・血管抵抗(RI)、血圧(BP)、心拍数(HR)および心臓副交感神経系活動(LnHF)であった。主要評価項目である腎動脈血流動態は、超音波診断装置(超音波診断装置 F37、日立アロカメディカル株式会社)を用いてコンベックス型プローブ(3.0MHz)を使用し、パルスドプラモードにて右腎動脈の血流波形を、全て同一の検者が測定した。対象者の体位はそれぞれ椅子座位とし、プローブを腹部前面に当て、ドプラ入射角は60度以内で測定した。血流測定時、対象者は10秒程度呼吸を止め、3波形分測定し、その平均値を求めた。 【結果】測定環境は、室温29.3±0.8℃、湿度71.2±8.2%、水温33.0±0.6℃、水深はTM 53.4±2.0cm、XP 81.2±2.9cm、JN 98.6±3.0cmであった。水位を上げるに従って、Vmは有意に増加した。RIは有意に増加した。BPは収縮期および拡張期ともに水位の変化に伴う有意な変化は認められなかった。HRは、有意に減少した。LnHFは有意に増大した。 【結論】水位を剣状突起レベルまで上げることによって、腎動脈血流量を増大させることができるものと考えられた。 研究課題1については対象者数を増やして投稿予定であり、研究課題2については、現在遂行中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画として、3年間で3つの研究課題を設定し、総合的に明らかにすることを予定していた。研究課題1として、水中環境での現在予定通り研究課題2を遂行中であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の通り、今年度は研究課題2として予定していた水中運動前後の腎動脈血流動態について明らかにしていく予定としている。すでに、本学の倫理委員会での審議を終え、実際に測定を進行していく予定としている。 また、研究課題3として予定している糖尿病患者を対象とした研究については、9月に倫理委員会の審議を経たうえで10月より対象者をリクルートし、11月頃より順次測定を実施していく予定としている。
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Causes of Carryover |
COVID-19感染拡大状況が変化する中で、計画的に実施・成果発表するまでに時間を要したため、論文投稿のための校閲費を支出できない状態であった。生じた次年度使用額の使用計画としては、年度の早い段階で論文投稿のための校閲費として支出する予定としている。
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Research Products
(2 results)