2022 Fiscal Year Research-status Report
糖尿病患者における水中運動が腎動脈血流量に及ぼす影響
Project/Area Number |
21K11389
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
小野 くみ子 神戸大学, 保健学研究科, 講師 (30467667)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木戸 良明 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (10335440)
小野寺 昇 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 特任教授 (50160924)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 腎動脈血流 / 水中環境 / リカンベントエルゴメータ運動 / 高強度インターバル運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】研究課題2は、高強度インターバル水中リカンベントエルゴメータ(RE)運動が腎動脈血流動態に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。 【方法】健常若年成人男性9名(年齢:22.9±1.3歳、RE運動時peakVO2:28.5±3.7 mL/kg/min)を対象とした。運動はREを用い、20秒間の最大下運動を1分間のインターバルを挟んで10セット、計13分20秒間実施した(室温:26.7±1.8℃、湿度:40.8±14.9%)。運動条件は水中(水位:剣状突起、水温:31.7±1.2℃)(WH条件)および陸上(LH条件)の2条件とした。主要評価項目として、運動前、運動直後、30分後に右腎動脈血流動態(時間平均血流速度:Vm、血管抵抗指数:RI)を測定した。副次評価項目として、酸素摂取量(VO2)心拍数(HR)、血圧(BP)、心臓副交感神経系活動(LnHF)、および尿量を測定した。有意水準は5%未満とした。 【結果】運動時のVO2およびHRは、条件間に有意な差を認めなかったことから、同一強度での運動が実施できた。Vmは、両条件間に有意な差を認めなかった。RIは、交互作用に有意な差を認め、両条件ともに、運動前と比較して運動直後に有意に高値を示した。収縮期BPは、両条件共に安静時と比較して運動時に有意に上昇したが条件間に有意差は認められなかった。拡張期BPは、WH条件で運動直後に有意に低下した。LnHFは、LH条件で運動直後に有意に低値を示したが、WH条件では有意差を認めなかった。尿量は、WH条件において運動後は有意に増加した。 【結論】高強度インターバルRE運動は、腎動脈Vmには有意な影響を及ぼさなかったが、WH条件では運動後のLnHFを賦活させ、尿量を増大させた。 研究課題2は結果をまとめ次第投稿予定である。また、研究課題3は倫理委員会への審査中であり、承認が下り次第、進めていくこととする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画として、2年目の2022年度は研究課題2の完遂および研究課題3の遂行開始を予定していたが、コロナ禍で研究課題2の完遂が遅延し、研究課題3に取り掛かれていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究課題2の結果についてまとめることと並行し、研究課題3として予定している糖尿病患者を対象とした研究について、5月に倫理委員会の審議を経たうえで、6月より対象者リクルートし、7月頃より順次測定を実施していく予定とし、今年度で研究を完遂する予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍において、計画的に実施・成果発表するまでに時間を要し、研究課題3を計画通りに進めることができなかった。生じた次年度使用額の使用計画としては、年度の早い段階から患者リクルート並びに実験遂行に伴う謝金、ディスポ電極等の消耗品に使用するほか、円滑に研究を遂行するための研究支援員の雇用に支出する予定としている。
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Research Products
(3 results)