2021 Fiscal Year Research-status Report
Effects of MAPK on the plasticity of skeletal muscle fibers
Project/Area Number |
21K11391
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
大石 康晴 熊本大学, 大学院教育学研究科, 教授 (10203704)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ウィスターラット / マップキナーゼ / ミオシン重鎖 / ヒラメ筋 / 足底筋 / ERK1/2 / p38 MAPK / リン酸化 |
Outline of Annual Research Achievements |
実験1では、8週齢のウィスター系雄ラットを用いて、CLBの慢性投与(CLB群)による影響を検討するとともに、ERK1/2阻害剤であるPD98059を投与(CLB+PD98059群)することによりERK1/2の果す機能を明確にすることを目的として研究を実施した。3週間の実験後、CLB群(361g)およびCLB+PD群 (373g)の体重は、対照群(Con群)(342g)と比較してそれぞれ5.6%と9.1%の有意に高い値を示した。CLB群ヒラメ筋重量 (165mg) は、Con群ヒラメ筋(Soleus)重量 (143mg) に対し15.4%の有意な高値を示し、一方、CLB+PD群ヒラメ筋 (120mg)では16.1% の有意に低い値を示した。CLB+PD98059群ヒラメ筋では、極端にサイズの小さな再生筋線維様の線維が確認され、Fast,またはSlowミオシン重鎖の一方、または両方を発現している様々な筋線維パターンが確認された。Totalおよびリン酸化E RK1/2発現量には3群間で差はみられなかった。本研究はDMSPで溶かしたPD98059を直接筋に注入する方法で行ったが、その影響を詳細に検討するためには、さらなる組織化学的分析が必要である。
実験2では、8週齢のウィスター系雄ラットに1日おきに42℃、25~30分間のの熱ストレスを5回施し、各種タンパク質発現を検討した。熱ストレスタンパク質Hsp72はヒラメ筋で増加傾向が、足底筋で有意な増加が認められた。マップキナーゼタンパク質(ERK1/2, p38)には有意な変化はみられなかった。このことから、マップキナーゼERK1/2およびp38タンパク質は熱ストレス非応答性のタンパク質であることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和3年度は2種類の実験を行い、骨格筋とマップキナーゼタンパク質の関連についての研究が進んでいる。しかしながら、研究論文としてまとめるためには、さらなる追加実験等が必要であり、令和4年も引き続き研究を実施する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
追加実験として、PD98059を溶かすために用いるDMSOの影響を検討する必要があるため、ウィスター系雄ラットを用いて、一方のヒラメ筋にDMSOのみを注入するDMSO群と、他方のヒラメ筋にはDMSOに溶かしたPD98059を注入するDMSO+98059群間のマップキナーゼタンパク質発現の生化学的分析や、組織化学的な筋線維タイプ発現の詳細について分析を進めていく。これらのデータを併せて今年度内にいくつかの研究論文を発表する予定である。
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Causes of Carryover |
令和3年度の研究経費(直接経費)1,100,000の内、実験や関連消耗品に要した費用は1,086,325円となり、残り13,675円は令和4年度の研究費として使用する予定である。
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