2023 Fiscal Year Research-status Report
骨格筋損傷に対する筋機能評価と高気圧酸素圧酸素治療法の有効性
Project/Area Number |
21K11398
|
Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
佐保 泰明 帝京大学, 医療技術学部, 准教授 (90438036)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹原 潤 帝京大学, 医療技術学部, 准教授 (70527465)
安井 洋一 帝京大学, 公私立大学の部局等, 講師 (80527466)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 筋機能 / 筋収縮特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨格筋損傷に対する高気圧酸素治療の骨格筋修復の効果を検証するため、筋機能評価項目の検証とベースラインの測定を実施した。筋機能評価として筋収縮力・弛緩力の特徴評価に加え、ハムストリングスの遠心性の収縮力の評価を追加した。大学アスリートを対象に両項目の測定を実施した。 筋機能評価はTensiomyographyを用いて、大腿二頭筋および半腱様筋の筋収縮特性を評価した。前年度の結果から、本測定に皮下脂肪厚の影響が少ないと判断されたことから、計測項目から除外した。皮膚上からの対象筋への電気刺激に対する、筋の短軸の最大変位量、収縮時間、収縮速度を計測した。両筋ともに左右間および利き足、非利き足間に統計学的な有意差はみられなかった。一方で、両筋間の比較では、最大変位量、収縮時間、収縮速度に統計学的有意差がみられ、筋組成、形態、筋量の違いが影響していると考えられた。 ハムストリングスの遠心性収縮力の評価は立膝位から体幹をゆっくりと前傾していくノルディックハムストリングスにて最大筋力を評価した。最大筋力は右289.7±51.8N、左291.4±34.9Nであり、統計学的に有意差はみられなかった。個々により筋力の有意側が異なったが、最大筋力の左右差の平均は7.4±5.8%であり、左右差が10%未満であるものが多かった。 以上のことから、治療効果の検討するにあたり、治療前後の比較だけでなく、左右差から傷害の程度の把握や筋機能改善の判断をすることができる可能性が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究では高気圧酸素治療の実施を予定しているが、施設利用の問題から実施が遅れていた。 筋機能評価については、専門家の助言をもとに実施方法は確立し、多人数の測定実施に目処がついたため、早期にベースラインの測定を完了する予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
ハムストリングスの筋機能測定の方法には目処がついたため、100名のベースラインの測定を実施する予定である。また、遠心性の筋収縮能については、競技間の比較も検討する。 競技によっては下腿三頭筋や大腿四頭筋の筋損傷も多いため、速やかに測定法の再現性を確認したうえでベースラインの測定を行う。 高気圧酸素治療については、関連機関と調整を進めており、速やかに実施予定である。
|
Causes of Carryover |
その他の項目として、高気圧酸素治療による経費を見込んでいる。今年度までに実施開始予定であったが、施設の都合で開始していなかったため、繰り越すこととなった。次年度にスライドしての使用を見込んでいる。 人件費・謝金については、ベースラインとして多人数の測定を見込んでおり、被験者謝金と、補助者謝金を次年度に執行予定である。 旅費はこれまでの研究成果の報告を次年度に実施する予定である。
|