2022 Fiscal Year Research-status Report
Long-term physical workout for individuals with severe cerebral palsy rated to GMFCS level V who themselves participate in the research as the planners
Project/Area Number |
21K11406
|
Research Institution | Ohka Gakuen University |
Principal Investigator |
寺田 恭子 桜花学園大学, 保育学部, 教授 (20236996)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 伸治 常葉大学, 保健医療学部, 教授 (50393153)
里中 綾子 びわこリハビリテーション専門職大学, リハビリテーション学部, 講師 (80632497)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | GMFCS LevelⅤ / 重度脳性麻痺者 / 運動 / 運動介入 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は最重度身体障害者をリクルートした。リクルートした者は被験者として研究に協力して頂いたが、一方では研究内容において、様々な手法をトライする際に当事者として発言してもらい、研究に参画してもらうことを求め了承をえられた。被験者が研究に参画するという試みによって、当事者しかわからない重度身体障害者の身体と運動方法のあり方について、新たな方法を模索することにチャレンジした。 最重度身体障害者への運動方法は、主に上半身を中心とした運動の導入を実施した。本研究におけるポイントは、フィットネス効果を期待するだけではなく、持続可能な運動方法であるかどうかである。よって、運動が継続できるためには楽しさ、達成感、いつでも、どこでもできるなどが求められるため、その点を考慮しながら運動方法を考案した。使用した機器はブレイズ・ポッドである。この機器は5つの点滅するボタンを使用し、それらを様々な場所に設置して、タップすることにより運動を継続して行く。今回はテーブル上にボタンを置き、ある特定の色が光った時だけボタンをタップするなどの条件をつけて、上半身の運動を中心に実施した。その際、通常の椅子に座って行う場合と立位で行う場合では心拍数に変化があることがわかった。被験者からの提案で、ブレーキをかけない車いすを使用して運動を実践したところ、車いすが揺れることによって体幹のに刺激が与えられ、より全身で運動をしている感覚があることがわかり、さらに心拍数も座位よりも高い数値を記録した。また、日常生活における心拍数も数日測定し、基礎的なデータも収集している。今後、この方法に工夫を加えながら実験を行なっていく予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は被験者をリクルートすることができ、実際に機器を使用して運動実践の実験を実施することができた。本来は、被験者を3名程度リクルートしたかったが、最重度脳性麻痺者で実験室(びわこ氏はビリテーション専門職大学)まで移動できる者が見つからなかったことが残念だった。2023年度は被験者をさらに増やしていきたい、しかし、In Bodyを使用することができ、被験者の体組成の記録も随時測定することができたことはよかった。被験者の日常生活における心拍数の変化や行動記録なども記録することができたので、症例報告としてまとめることも可能かと考えている。このような状況から概ね順調だと言える。
|
Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、重度脳性麻痺者の被験者をさらに増やし、名古屋でも実験ができるような工夫を試みる。具体的にはすでに2名の被験者候補者を確保している。呼気ガス分析は難しいものの、日常生活の行動記録と心拍数の変化そして新たに考案した運動方法の介入に対する被験者からの意見、考え等を取り入れた新たな方法の構築を1つのプログラムとして構築する。 また、いくつかの考案された方法を、音楽と身体のみで継続的に楽しくできるプログラムをタイやインドネシアの重度身体障害児・者に提供し、それらのプログラムに意見を出し合ってもらい、現地で継続的に実践できる内容について考案していく。アジアにおける重度身体障害児者の身体活動においては、ISAPA(International Symposium of Adapted Physical Activity)NZ,オタゴ大学でも発表予定である(2023/06/27)。
|
Causes of Carryover |
コロナ禍において、海外の学会に参加できなかったため、この残りの額を今年度の海外出張に使用する。
|