2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of a lung function evaluation device using party horn with electronic sensors
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21K11415
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
辻岡 哲夫 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 准教授 (40326252)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 一志 大阪市立大学, 都市健康・スポーツ研究センター, 教授 (50167160)
松浦 義昌 大阪府立大学, 高等教育推進機構, 教授 (60173796)
横山 久代 大阪市立大学, 都市健康・スポーツ研究センター, 准教授 (10647829)
川端 悠 大阪府立大学, 高等教育推進機構, 准教授 (20713390)
山科 吉弘 藍野大学, 医療保健学部, 教授 (80585456)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 肺年齢 / 肺機能評価 / 吹き戻し棒 / 呼気流量 / 呼気流速 / 静電容量センサ / 圧力センサ / 計測回路試作 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,吹き戻し棒を用いた肺トレーニングにおいて,呼気の流量・流速,回数,頻度の情報を計測することで肺年齢を推算するための電子化された吹き戻し棒の開発,及び,長期的な計測データの解析によってトレーニング効果の評価を可能とするシステムの開発を目指している.従来のスパイロメトリーや強制オシレーション法による肺年齢測定よりも経済的で被験者負担の少ない方式を構築する. 最初の2年間は,機器開発と機器テストの期間であり,肺機能評価のためのセンサ装置の設計と開発,サーバシステムの構築,回帰式の導出,トレーニング検討を行うことになっており, 2021年度は,センサ装置の設計と開発,サーバシステムの構築の検討を進めた. 吹き戻し棒に吹き込まれる呼気の流速と流量の測定については,2方式について検討した.一つは,吹き戻し棒に電極を設置し,その静電容量変化によって長さ変化をセンシングする方法である.概ね長さと静電容量変化には高い相関が見られたが,物理的な形状に依存した誤差が大きいことがわかった.もう一つは,圧力センサで内圧を計測する方法であり,吹き戻し棒が伸びきるまでの時間と内圧変化により流量・流速を推算することが可能であったが,吹き戻し棒の種類によって毎回キャリブレーションを要する問題解決の必要性がわかった. 計測のためはアタッチメントが不可欠であり,3Dプリンタ用CADを用いて設計・印刷を行い,試作を繰り返した.また,計測のための電子回路基板の設計と製作も行った.120MIPSの性能を有する32ビットのワンチップマイクロコントローラを用い,温度センサ,湿度センサ,圧力センサ,静電容量センサの駆動回路に加えて,液晶モニタ,操作スイッチ,PCとのUSBインタフェースを搭載した電子回路基板を設計・試作した.この電子回路基板を用いて,吹き戻し棒に吹き込まれる呼気の流量・流速の計測を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1年目については,肺機能評価のためのセンサ装置の設計と開発と,サーバシステムの構築検討については順調であったが,回帰式の導出,及び,トレーニング検討は,機器開発を終えてからと後回しになってしまい,充分な検討が行えなかった. その理由の一つは,本研究課題への従事を希望する指導学生がいなかったためであるが,2022年度から2名の学生が従事予定であり,研究を加速させたいと考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
2年目の2022年度から,学部学生1名が従事し,また,大学院学生1名もサブで従事することになった.回帰式の導出やトレーニングの検討についても研究を加速させたいと考えている. 吹き戻し棒に吹き込まれる呼気の流量・流速の誤差が多いこと,キャリブレーションの必要性などの課題がわかったが,その解決のために,市販の呼気流量センサ(センシリオン社SFM3x00,Honeywell社 AWMx00など)を購入して性能比較を進める予定である.なお,経済性とメンテナンスの容易性を考えると,呼気流量流速測定の本命は内圧センサによる方式であると考えられるので,キャリブレーションフリーのための手法についても諦めずに検討を進めたいと考えている.
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Causes of Carryover |
1年目に購入予定だった設備備品の3Dプリンタと肺年齢計測のためのスパイロメータと総合気球抵抗測定装置のうち,スパイロメータと総合気球抵抗測定装置の機種選定が間に合わなかったため,購入を2年目に遅らせる.合計で62万円の予定である. 1年目にPCB基板の製作費用を計上していたが,1年目はユニバーサル基板での試作だけとなった.電子部品については,回路に試行錯誤中の部分が残っているため,ストック部品と校費購入部品を用いた.2年目にはセンシング方法を候補の中から選び,回路を確定させ,PCB基板の製作を行う.電子回路部品と製作費の合計で50万円の予定である. 2年目の請求予算については,学会発表のための参加費・旅費で使用する予定である.
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Remarks |
大学統合後の大阪公立大学のWebシステムを用い,2022年7月までに研究概要と研究成果を公開できるように手続きを進めている.
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