2023 Fiscal Year Annual Research Report
IL-4の作用を利用した新たなサルコペニア治療法の確立
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21K11428
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
黒坂 光寿 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (40553970)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小倉 裕司 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (90509952) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | IL-4 / 筋芽細胞融合 / 筋幹細胞 / Myomerger / Myomaker / NFATc2 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、IL-4シグナリングによる細胞融合分子(myomaker、myomerger)の発現を制御する機序を明らかにすることを目的とした。 先行研究より、IL-4シグナルが転写因子NFATc2と関連していることが報告されている。我々もまた、NFATc2の遺伝子発現量がIL-4刺激(10ng/ml)で増加すること、IL-4レセプターノックダウン(IL-4RaKD)でその増加が抑制されることを培養実験で確認している。したがって、本実験ではNFATc2に着目することとした。 我々は、NFATc2をノックダウン(NFATc2KD)させた筋芽細胞を作成し、分化培地で72時間培養後に筋分化を制御するMyoDおよびMyogenin、細胞融合分子であるmyomakerおよびmyomergerの遺伝子発現量およびそれら細胞の融合能を評価した。実験群は、コントロール群(Ctrl)、IL-4添加(10ng/ml)群(IL-4)、NFATc2KD群およびNFATc2+IL4添加(NFATc2KD+IL4)群とした。IL-4添加群は、増殖培地から分化培地に交換したタイミングで添加した。 その結果、IL-4刺激で増加することが確認されていたMyoD、Myogeninおよびmyomergerの遺伝子発現量がNFATc2をノックダウンすることで有意に抑制されることを明らかにした。また、IL-4刺激で増加する融合能(筋管細胞当たりの筋核数)もまたNFATc2をノックダウンすることで有意に抑制されることを明らかにした。 したがって、IL-4シグナルによる分化制御因子や細胞融合分子の発現は、NFATc2を介して引き起こされることが示唆された。
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