2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of evaluation method for dynamic characteristics of sports surfaces by using two-dimensional portable impact tester
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21K11430
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Research Institution | Aichi University |
Principal Investigator |
湯川 治敏 愛知大学, 地域政策学部, 教授 (40278221)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 可搬型2次元衝撃試験機 / ロングパイル人工芝 / ウレタン系サーフェス / 2次元粘弾性モデル / 2次元動特性評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,実際に施工された陸上競技場などのウレタン系サーフェス,野球やサッカー,テニスなどで利用される各種人工芝などの2次元動特性評価法の開発を行う.従来,スポーツサーフェスの特性評価としては①衝撃試験による鉛直方向の衝撃減衰率と最大変位による緩衝性能評価および②特定の条件における動的な摩擦係数の測定によって評価していたが,この方法では人間の動作特性である斜め方向の衝撃に対する特性や実際の動作時間に相当する衝撃に対する評価をしていない.そこで,申請者は2次元衝撃試験機により人間の動作特性を踏まえた衝撃試験を実施し,モデル化とシミュレーションによって動特性を評価してきた.しかしながらこれまではサーフェスとの接触面が樹脂や金属の一様な平滑面であり実際の使用状況とは異なる環境下での特性評価であった.そこで本研究ではこれまでの研究を発展させ,実際に施工された各種スポーツサーフェスに適用可能な可搬型2次元衝撃試験機を製作し,実践的な動特性評価法の開発を行う.さらに2次元衝撃試験機のセンサユニットの小型化と軽量化を図り,将来的にはシューズ,スパイク等をセンサユニットに装着した測定が可能となる様改良を行った.具体的にはこれまでは3軸荷重センサ1台と荷重を分散させるために大型のスライドベアリングおよび1軸荷重センサを用いて2次元衝撃力を測定していたが,新たに3軸荷重センサを追加することで大幅な軽量化と小型化を実現できた.さらにセンサユニットを再設計したことにより陸上競技用のスパイクピンやサッカー・ラグビーなどで用いられるスパイクスタッドをセンサユニット下部に装着することにより実際の利用状況に近い状態での測定が可能となった.但し,落下失業を60kgと設定している現試験機では可搬型にはなっていないため,今後,可搬型への改良を行う.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的である可搬型2次元衝撃試験機によるスポーツサーフェスの動特性評価を行うに当たり,まずこれまで小型3次元荷重センサ1機およびスライドベアリングに装着した1軸荷重センサにより安定した2次元衝撃試験を行ってきた.しかしながら耐荷重を考慮するあまり水平方向のスライドベアリングは非常に大型となり衝撃波形にセンサユニットの重量が効いてきている.そこで今回の補助金により新たに3次元荷重センサを購入し,センサユニットの大幅な小型化と軽量化を実現できた.さらにセンサユニットの再設計を行うことによってもさらに小型化・軽量化を進めた.結果的にセンサユニット下部には新たに陸上競技におけるスパイクピンやサッカー・ラグビースパイクに装着するスタッドをセンサユニット下部に装着できるよう改良を加えた.センサユニットの小型化・軽量化は次の段階である実際のシューズやスパイクをセンサユニットに装着することができる様になる.但し,現時点ではロングパイル人工芝,ウレタン系サーフェスの実験とも問題なく実施できるが,落下重水の質量変更や落下高の正確な設定,さらに可搬型試験機への改良は未着手であり,2年目の課題とする.今年度の後半には可搬型の衝撃試験機を用いて種々のサーフェスが施工されたフィールドにおいて2次元衝撃試験を実施し,可能であればモデル化,パラメータ同定,シミュレーションを実施する.
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Strategy for Future Research Activity |
現在の状況は2次元衝撃試験機のセンサ部分を再設計した後,初年度の予算で新たに3軸荷重センサを購入しセンサユニットの小型化・軽量化を実現できた.これにより,センサユニット底面に陸上競技用のスパイクスタッドやサッカー・ラグビー用スタッドを装着し,ウレタンサーフェスや人工芝において実際の人間が運動する際の衝撃を模した実験が可能となった.さらに今回のセンサユニットの小型化によりシューラスト(シューズを履かせるための型)にセンサユニットを埋め込み,その状態で実際のシューズ,スパイク等を履かせた状態で2次元衝撃試験を行うことも可能になると考えられる.そこで実際のシューズ・スパイクに履かせるための既存のシューラストへの装着あるいは同等の用具を作成し実際にセンサユニットをシューズに挿入した状態で測定可能かどうかを検討する.また,現在の衝撃試験機を可搬型とするためにセンサユニット・サポート部および落下重錘サポート部下部に移動用機構を追加し,施工済みのフィールドでの衝撃試験を行う.
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