2021 Fiscal Year Research-status Report
社会活動自粛下における地域在住高齢者の身体活動・運動とフレイルとの関連
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21K11435
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
今村 友美 武庫川女子大学, 食物栄養科学部, 講師 (10411969)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | フレイル / COVID-19 / 身体活動 / 高齢者 / 栄養 / コロナフレイル |
Outline of Annual Research Achievements |
COVID-19のまん延以降、外出制限等により、高齢者は特殊環境に置かれているものと考えられる。本研究では、地域高齢者約5,000名を対象にCOVID-19感染症まん延期における身体活動量および座位時間や日常生活状況(栄養、社会参加を含む)とフレイルの状況を把握することを目的とする。まず、身体活動量及び座位時間とフレイルの関連の短期的な影響の検討を実施した。 2020年8月に感染症まん延期の短期的影響に関するアンケート調査を郵送法により配布した。本調査への回答者数は2794名であった。このうち、回答に不備のあった者869名を除いた1925名を解析対象者とした。平均年齢は74.1±6.1歳であった。身体活動量は1961±2263(MET-分 / 週)、不活発時間は436±263(分/週)であった。COVID-19によって友人との交流頻度が阻害された者の割合は、「少し」、「かなり」及び「非常に」を合わせると75.5%、社会参加が阻害された者の割合は、「少し」、「かなり」及び「非常に」を合わせると91.8%であった。COVID-19によって社会活動が停滞している者は身体活動量が低下あるいは不活発時間が増加していた。 外出制限期間以降においても地域高齢者の多くは、家族や友人また社会活動への参加は制限されていることが明らかとなった。またCOVID-19による社会的孤立を示す指標において、友人との交流や社会活動への参加が途絶えていることは低身体活動との関連がみられた。以上のことから、COVID-19によって地域高齢者の多くは社会的孤立の状況となっており、これが身体活動量の低下に影響を与えていることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度は、計画通りに、身体活動量及び座位時間とフレイルの関連の短・中期的な影響の検討を実施した。2020年度と同様に質問票を対象者に郵送し、回収した。現在そのデータを解析中である。 身体計測の実施については、感染症拡大に伴うまん延防止等重点措置が発出されたことにより自粛をしたが、その準備を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度に郵送した質問票の回収とそのデータ解析を進める。2022年度以降は、身体活動量および座位時間や日常生活状況(栄養、社会参加を含む)とフレイルの状況について、長期的影響の検討を実施する。 地域高齢者のうち、希望者に対して本学研究所において、身体計測・体力測定を実施し、身体状況の確認を行う。なお、実施にあたっては、感染拡大の社会的状況を十分に考慮する。 これらの結果をふまえ、今後想定される感染症蔓延期の状況に応じたフレイル予防を目的とした高齢者への日常生活支援の方策を提案する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症まん延防止等重点措置により、2021年度は身体計測の実施を自粛した。2022年度は実施予定である。よって、それにかかる費用(身体計測会実施の案内状郵送代、実施のための消耗品費、データ整理のためのPC代、アルバイト代など)として2022年度に使用する。
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