2022 Fiscal Year Research-status Report
社会活動自粛下における地域在住高齢者の身体活動・運動とフレイルとの関連
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21K11435
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
今村 友美 武庫川女子大学, 食物栄養科学部, 准教授 (10411969)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | フレイル / COVID-19 / 身体活動 / 高齢者 / 栄養 / コロナフレイル / 運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
COVID-19の感染症対策はもとより、高齢期の健康問題、フレイルを中心とした疾病予防の一次予防が欠かせない。2020年度と2021年度にアンケートに回答した対象者の2年間の状況をとりまとめた。2020年8月に西宮市在住の約5000名の高齢者にアンケートを配布した。そのうち約1650名の人に2021年度のアンケートに協力をいただいた。2021年は約1650名のうち約1250名から回答を得た。このうち解析対象は1235名であった。フレイルは①体重減少、②歩行速度、③運動習慣、④記憶、⑤疲労感の5項目から評価し、フレイルスコアは0~5点となる。3点以上の者をフレイルと判定する。フレイルスコアの平均は1.35から1.43に上昇した。また、フレイルの者の割合は13.8%から16.2%に上昇した。以上のことより、フレイルの加速化が懸念される。 食生活の変化(食品多様性スコア)を2020年度と2021年度で比較したところ、全体で4.32から4.22とやや減少したことがわかった。さらに、食品多様性スコアが低い群は高い群と比較してフレイルの発生頻度が約2倍になったことがわかった。 また、西宮市N地区在住の高齢者を対象に身体計測・体力測定会を実施した。感染症対策のために、実施規模を小さくし、測定項目を縮小して行った。 75歳以上の女性(n=26)において、COVID-19感染拡大前の2019年度のデータと比較して、体重の減少(50.9±5.0→49.1±5.3 kg)、除脂肪体重の減少(35.2±2.9→34.6±2.9 kg)、握力の低下(21.4±3.8→19.6±3.9 kg)、10m歩行の延長(6.1±1.0→7.9±2.6秒)がみられた。以上のことからフレイルのリスクが増大していたことがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は、計画通りに西宮市高齢者のフレイルの現状について、質問票を郵送し、回収したデータを解析した。また、コロナ禍で中止を余儀なくされていた身体計測会を2022年度は実施することができた。感染症対策に配慮し、例年実施していた測定会の形式から縮小する形ではあったが、データを得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度も、2022年度に引き続いて、身体計測会を実施する。高齢者における体力の低下が単なる加齢によるものかコロナ禍における身体活動量の減少によるものかの検討を行う。また、西宮市高齢者のフレイルの現状についての質問票の回答から、フレイルと食生活との関連性およびオーラルフレイルと食生活の関連についてもさらなる解析を行う。
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Causes of Carryover |
2022年度の身体計測会は感染症拡大防止に配慮して規模を縮小して実施した。2023年度は感染症の社会的状況を考慮して、測定人数や測定項目を増やして実施することを予定している。よって、それにかかる費用(身体計測会実施の案内状郵送代、実施のための消耗品費、データ整理のためのPC代、アルバイト代など)として2023年度に使用する。
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Research Products
(1 results)