2023 Fiscal Year Annual Research Report
骨格筋におけるアンドロゲン受容体のパイオニア因子の同定・解析
Project/Area Number |
21K11439
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
横山 敦 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (20572332)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | アンドロゲン / 骨格筋 / 筋力増強 / パイオニア因子 / 核内受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度では、前年度に同定された骨格筋細胞由来のAR結合タンパク質群の中から、目的の骨格筋特異的ARパイオニア因子を同定したいと考えている。そのためには、候補因子の中からさらなる絞り込みを行う必要があり、まずは再現性よく同定できる因子を抽出するために、RIME法によるプロテオミクス実験を再度行い候補因子の同定を行った。同定された因子群の中から、既存のヒストン修飾酵素、ATP依存性クロマチンリモデリング酵素等の転写共役因子を除外し、8種類のDNA結合ドメインを有する因子をARパイオニア因子候補として抽出した。続いてこれら遺伝子を樹立した細胞株においてゲノム編集による遺伝子ノックアウトを行いアンドロゲン応答遺伝子誘導への影響を評価を行う。これにより、筋管細胞特異的なARパイオニア因子の絞り込みを行っており目下進行中である。 一方で、骨格筋細胞を用いたChIP-seq解析を行い培養筋管細胞内のアンドロゲン応答遺伝子付近へのARリクルートを確認する。さらにモチーフ解析から、AR結合配列近傍に存在する転写因子結合配列の抽出にも成功している。上述のゲノム編集実験と組み合わせることにより、目的因子の同定へと繋げていきたい。 本課題で用いられた手法(RIME法によるパイオニア因子の取得)は、他の組織や他の転写因子に対するパイオニア因子の取得方法として応用可能であることから、その手法確立は組織特異的な転写調節研究においても大きなインパクト、波及効果があると期待される。また、今後同定予定の骨格筋におけるARのパイオニア因子は、副作用のないサルコペニア治療薬開発のための重要な知見となることから、さらなる解析を継続したい。
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