2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K11448
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Research Institution | Komatsu University |
Principal Investigator |
香川 博之 公立小松大学, 生産システム科学部, 教授 (40251938)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | スキー / 雪 / 摩擦 / マイクロ負荷試験 / 真実接触面積 / 凝着力 |
Outline of Annual Research Achievements |
スキー滑走面と雪粒子のミクロな結合力を実験により調べるため開発したマイクロ負荷試験装置を使って実験を行っている。この装置は、雪粒子を固定した圧子を、2つのピエゾアク チュエータにより垂直および水平方向にPCで位置制御しながら、ガラス平板に接触させることができる。 雪粒子を固定した圧子をガラス板に押し込むための並行平板構造は、ステンレス鋼薄板と3Dプリンタで造形した樹脂部品により作成していた。摩擦実験時の強度を確保するために、ステンレス鋼ブロックから放電ワイヤ加工により切り出し新たに作成し直した。また、真実接触面積を画像処理により簡便に評価できるようにシステムを改良した。低温実験室内に設置した装置の周辺を囲って冷却機からの風の影響を抑え、目標温度に合わせた保冷剤を敷き詰めることで、実験環境温度をさらに安定させることができた。 マイクロ負荷試験は、雪粒子径、温度、負荷荷重を変えて行った。また、何も表面処理していないガラス板と、ワックス使用を想定し、表面をシリコンリムーバでふき取ったガラス板を用いて実験を行った。これらより、粒子径が小さいほど、表面エネルギーが大きいガラス板ほど、雪粒子とガラス表面の凝着力が大きくなることなどが明らかになった。また、接触時間(負荷作用時間)が長いほど、真実接触面積が大きくなり、凝着力も大きくなったが、凝着力を真実接触面積で除して求めた凝着応力は、実験条件ごとにほぼ同じになっていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験を行うにあたり、装置の強度に問題があることがわかり、改良を加えたことにより実験開始がやや遅れたが、温度が安定した状態で雪粒子を用いた本格的な実験を行うことができた。実験を進める過程で、測定した凝着力に興味深い結果が得られたため、雪粒子とガラス板の凝着について重点的に調べることにした。雪粒子同士の結合力についても測定する予定であったが、まだ実施できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
マイクロ負荷試験装置を使って引き続き1軸および2軸押込み試験を行い、雪とガラスの摩擦特性について調べる。また、焼結させた雪試験片を用いて、雪粒子のへき開強度およびせん断強度の測定を行い、雪粒子間の結合強度について調べる。雪ブロックとガラス平板の摩擦特性の把握については、当初の予定を変え、ガラス板で作成した滑走体を雪面上でけん引することで行う計画である。
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Research Products
(1 results)