2023 Fiscal Year Annual Research Report
A temporal study of the effects of sleep inertia and alertness on physical activity
Project/Area Number |
21K11458
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
西多 昌規 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (10424029)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩田 耕平 金沢星稜大学, 人間科学部, 講師 (40638962)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 睡眠 / スポーツ / 身体運動 / 眠気 / ノンレム睡眠 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究において、睡眠慣性とスポーツに関連する身体運動との関連を検討した。睡眠から覚醒後には、睡眠慣性(覚醒後のぼんやりした、覚醒度の低い状態)が残る。覚醒後から活動開始までの適切な時間間隔については、注意機能や認知機能についての先行研究は豊富だが、スポーツなど身体運動においては明らかではない。本研究では、仮眠後における睡眠慣性の変移と、身体運動能力の経時的変化を時間学・生理学的に実証することを目的として実施した。 実験は、二つの計画に分けて行った。実験1とて、睡眠慣性による運動機能変化を解明するために、異なる仮眠時間条件を設定し、握力とカウンタームーブメントジャンプ(CMJ)を行い、仮眠前の成績と比較した。60分仮眠条件において、握力は仮眠なし、20分仮眠と比較して有意な低下を認めた。CMJは、仮眠条件による変化を認めなかった。実験2では、巧緻な技術を要するスポーツスタッキングを実験課題とし、仮眠中は脳波を記録して、異なる睡眠段階で覚醒させ、スポーツスタッキングの成績を仮眠前と比較した。ノンレム睡眠第2段階、第3段階で覚醒させたときのスポーツスタッキング所要時間は、開始前に比べて有意に延長した。主観的眠気と成績との相関は認めなかった。 以上より、60分仮眠やノンレム睡眠第3段階で覚醒させるなど、強い睡眠慣性がはたらく場合は、等尺性収縮がはたらく握力や、注意機能や巧緻性を要求されるスポーツスタッキングなど、一部の運動パフォーマンスは低下することが示された。睡眠慣性が強い状態においても、運動による刺激によって覚醒度が上がり、運動刺激を行った場合は、30分の時間間隔を置けば、運動パフォーマンスは元のレベルに復することも示された。本研究の結果は、睡眠から覚醒したあとの身体運動を開始するまでの時間間隔の適正化に加えて、トレーニングや試合のスケジュール作成にも貢献することが期待される。
|
-
[Journal Article] First international consensus statement on sports psychiatry2024
Author(s)
Claussen Malte Christian、Currie Alan、Koh Boon Yau Eugene、Nishida Masaki、Mart?nez Vania、Burger James、Creado Shane、Schorb Alexander、Nicola Roberto Fernandes、Pattojoshi Amrit、Menon Ranjit、Glick Ira、Whitehead Jim、Edwards Carla、Baron David
-
Journal Title
Scandinavian Journal of Medicine & Science in Sports
Volume: 34
Pages: e14627
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-
-
-
-
-