2022 Fiscal Year Research-status Report
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21K11459
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
北岡 祐 神奈川大学, 人間科学部, 准教授 (30726914)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | RNA-seq |
Outline of Annual Research Achievements |
電気刺激を負荷したマウス骨格筋と同一マウス個体の非刺激筋、および安静マウスの筋サンプルについて、RNA-seqによる解析を行った結果、電気刺激を負荷した筋では他と比べて2倍以上変動した遺伝子が数多く認められたのに対し、電気刺激を負荷したマウスの非刺激筋と安静マウスの筋との違いはわずかであった。したがって、運動による骨格筋の適応において筋収縮の影響、つまり筋内のエネルギー代謝の影響が大きいと考えられることから、収縮筋における代謝物質の変化と血中におけるそれらの変化との関係についてタイムコースを追って詳細に明らかにすることを目的として、サラブレッドを実験動物として用い、高強度インターバル運動における休息時間の違いが、運動中の筋中および血中の代謝物質の濃度と運動後の遺伝子発現に及ぼす影響について検討した。休息時間を十分に長く設定した条件においては血中乳酸濃度と筋中乳酸濃度はともに運動による上昇と休息による低下を繰り返したのに対し、休息時間を短く設定した条件では、休息時間中に血中乳酸濃度の低下は認められず、休息時間の長い条件と比べて高値を示し続けたが、運動を繰り返すごとに増加率としては低下した。特に、筋中乳酸濃度については短い休息後の運動による変化は認められなかった。また、運動終了後に採取した筋サンプルを用いて運動による適応に関わることの知られているPGC-1αの遺伝子発現について検討したところ、休息時間の短い条件の方が高い傾向が観察されたのとともに、運動中の最大血中乳酸濃度との間に正の相関関係が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通りのサンプリングおよび網羅解析を実施することができたことから、順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
乳酸以外の解糖系および酸化系の代謝基質に関しても運動による濃度変化について解析を進める予定である。
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Causes of Carryover |
研究が順調に進んだため消耗品の支出が想定より少なく済んだこと、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い旅費の支出を控えたことにより、次年度使用額が生じた。次年度の代謝基質測定に比較的多くの費用支出が見込まれるため、その費用として使用する予定である。
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