2021 Fiscal Year Annual Research Report
非典型IκBーNF-κBシグナリングを介した骨格筋萎縮メカニズムの解明
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21K11460
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
小倉 裕司 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (90509952)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒坂 光寿 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (40553970)
吉原 利典 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 助教 (20722888)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 筋萎縮 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨格筋量と機能の進行性かつ全身性の減少はサルコペニアと呼ばれる。サルコペニアはQOLの低下をもたらすため、その対策の確立が社会的な課題となっている。サルコペニアの原因の一つである筋萎縮には、NF-κB分子の過剰な活性化が関与する。それゆえ、NF-κBの制御メカニズムを解明すればサルコペニア対策に有用である。これまでの研究から、研究代表者は、非典型IκBという分子が、骨格筋におけるNF-κBの新規制御因子である可能性を見出し、中でも、IκBζ(ゼータ)が、様々な筋萎縮条件で常に発現が亢進される非典型IκBであることを発見した。この知見を踏まえ、本研究では、サルコペニア発症におけるIκBζの役割とそのNF-κB活性との関連を、独自に作成した骨格筋特異的IκBζノックアウトマウスを用いて、生体レベルで解明する。 本年度においては、2ヶ月齢の雄性IκBζ-mKOマウスへコーンオイルに溶解したタモキシフェンを投与して、骨格筋でIκBζを消去した。対照群には、コーンオイルのみを投与した。その後、両群に坐骨除神経除去を行い、筋萎縮を惹起した。7日後に前脛骨筋、足底筋、ヒラメ筋、腓腹筋を摘出して筋重量を測定したところ、いずれも対照群と比べて有意な変化はなく、比較的若い動物では、IkBζの筋萎縮における影響はないものと考えられた。続く研究としては、動物を高齢まで飼育し、サルコペニア発症時期にIkBzを消去することによってもたらされる影響について検討する必要があると考えられた。また、IkBζはIL-1βの下流で活性化される為がん細胞移植モデルなども活用できる可能性があるなど、新たなサルコペニア実験モデルの導入も検討するべきと考えられた。
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