2021 Fiscal Year Research-status Report
スポーツ・文化イベントのサービス品質評価 -コロナ禍でのイベント運営の検討-
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21K11465
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
藤谷 かおる 金沢大学, 人間科学系, 教授 (60257079)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | スポーツイベント / 文化イベント |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、(1)イベントを取り巻くデータの収集を行った。イベント消費規模推計報告書(日本イベント産業振興協会、2021.6)では、新型コロナウイルス感染症により、イベントに対する支出を含めた「イベントの全体消費規模金額」、「イベント参加者の割合と参加回数」は大きく減少し、なかでもスポーツイベントは大きな影響を受けていると報告されている。 さらに、(2)石川県内の主要スポーツ・文化イベントの開催状況のリストアップを行った。石川県内の大規模・市民型のイベント(金沢マラソン、いしかわ・金沢 風と緑の楽都音楽祭)の場合、2020年度はオンライン開催や開催時期を変更しながらも、2021年~2022年度には開催・ハイブリット・オンライン型に移行していた。しかし、行政・市民型のイベント(能登和倉万葉の里マラソン)は2022年まで中止が続いている。石川県内イベントでは、規模・開催主体に関係なく、コロナ禍でのイベント中止が続いているのは、祭り・音楽フェスであった。 (3)石川県内のイベントに対する大学生の意識(興味・関心)と関わり方についてアンケートによる予備調査を行った。その結果、大学生の文化イベントへの興味・関心は全体の6割、スポーツイベントは4割であり、実際の参加・観覧・視聴経験は県内上位5つのイベントでも10.5~29.5%であった。大学生は「イベント内容の充実」や「雰囲気・一体感」を求めていることが明らかとなった。大学生に対し、引き続き参加が見込めるイベントとして「金沢百万石まつり」、今後参加が見込めるイベントとして「白米千枚田ライトアップ」「百万石音楽祭-ミリオンロックフェス-」、認知度を高めれば参加が見込める「いしかわ・金沢 風と緑の楽都音楽祭」が挙げられた。今後は、石川県に魅力を感じている学生に対し、積極的な情報発信することが重要となる結果を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度は石川県内のスポーツイベント参加者・出場者・観戦者を対象とした調査を予定していた。しかし、石川県での新型コロナウイルス感染状況および安全管理の観点から、対面でのイベントアンケートの実施を中止せざるを得なかった。そのため、大学生2-4年生220名を対象に、コロナ禍での代表的な石川県内イベントに対する意識(興味・関心)と関わり方の予備調査を実施し、大学生のスポーツ・文化イベントに対する経験の有無、認知、期待の指向性を把握した。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年から2023度では、文化イベント参加者・出場者・観覧者を対象とした調査を計画している。今後も、新型コロナウイルス感染症の影響でイベント開催の変更が見込まれる。2021年度のスポーツイベント参加者・出場者・観戦者の調査が実施できていないことから、引き続き対面調査の可能性を模索する。加えて、2022年度は、イベントの規模、あるいはスポーツ・文化イベントにこだわらず、主催者の了解が得られた場合、アンケートの実施を検討する。 課題としては、今後も新型コロナウイルスの感染状況によって、対面でのアンケートが制限される可能性がある。対面アンケートでは、多様な質問項目が設定できるのが利点であるが、Webアンケートでは、回答率を高めるためには質問項目を少なくして対応する必要がある。 対応策としては、引き続き、対面調査が難しいと判断した場合、インターネットによるWeb調査に切り替える検討を行う。インターネットWeb回答者の石川県内イベント参加は少ない可能性が考えられる。その場合、全国規模のイベント全般の認知度、イベント経験(経験がある場合は満足度を問う)、今後の視聴、参加意欲について改めて検討を行う必要がある。
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Causes of Carryover |
2021年度は石川県内のスポーツイベント参加者・出場者・観戦者を対象とした調査を予定していた。しかし、石川県での新型コロナウイルス感染状況および安全管理の観点から、対面でのイベントアンケートの実施を中止せざるを得なかった。そのため、アンケート関連経費の執行を控えた。 2022年度は、コロナウイルスの状況を見ながら、スポーツ・文化イベント調査を実施する。学生(5名)の協力を得ながら、対面によるアンケートを実施する予定である(旅費・人件費・謝金)。文化イベントでは比較的イベント実施の可能性が高いため、予備調査を実施し、サービス評価項目を選定していく。併せて、2021年度に実施を予定していた石川県内のスポーツイベントの参加者・出場者・観戦者調査を可能な限り、実施する予定である(旅費・人件費・謝金)。しかしながら、2022年度もコロナウイルスの影響が懸念されるため、外部のインターネットリサーチ企業のアンケートフォームを用いながら(年間契約)、対面しない方法での調査や全国規模のイベントの顧客満足度アンケート(CS調査)の可能性も同時に検討する。また、アンケートを実施することができれば、学会発表(旅費)も検討していく。
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