2021 Fiscal Year Research-status Report
Effect of skeletal muscle-derived L-BAIBA on the prevention of hypertension
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21K11467
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
外山 雄大 島根大学, 島根大学医学部, 客員研究員 (60880507)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
並河 徹 島根大学, 医学部, 特任教授 (50180534)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | L-BAIBA / LC-MS/MS / 鏡像異性体 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、骨格筋から分泌される善玉マイオカインβアミノイソ酪酸(β-aminoisobutyric acid: BAIBA)が、高血圧の改善に関与する可能性が報告されている。BAIBAには、異なる基質をもつ鏡像異性体(D体: D-BAIBA・L体: L-BAIBA)があり、それぞれ異なる機能をもつ可能性も考えられる。しかし、従来の測定方法では、両者を分別して定量化することが極めて困難であったため、その機能や重要性の違いについては詳細に検討されていなかった。そこで本研究では、D-BAIBAとL-BAIBAを分別して定量する測定系を確立し、「運動習慣や骨格筋との関係」や「高血圧に与える影響」について検討することを目的とした。 2021年度は、液体クロマトグラフ質量分析計(LC-MS/MS)を用いた測定系を確立し、血液成分(血漿・血清)や保存期間に関わらず、D, L-BAIBAが検出できることを明らかにした。また、確立した測定系は、従来の測定系と比較して、複雑な前処理(誘導体化など)が不要なため、本研究のような大量のサンプルを解析するのに適している。 現在は、確立した測定系を用いて高齢者の血液サンプルの解析を実施している。2021年度3月時点において約400例の測定が完了しているが、予定していた1000例には達しておらず、若干の遅れが生じている。加えて、BAIBAと高血圧の両者に影響するアラニングリオキシル酸アミノ基転移酵素2(Alanine-Glyoxylate Aminotransferase 2: AGXT2)という遺伝子多型について報告が確認されたため、新たにSNP解析を実施しており、約400例の測定が完了している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
D, L-BAIBAを分別して定量する測定系を確立したが、測定精度等の検証に時間を要した。そのため、2021年度3月時点において高齢者の血液サンプルの測定が予定していた1000例には達していない。
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Strategy for Future Research Activity |
研究代表者の所属変更に伴い、継続した高齢者の血液サンプルの測定が困難となった。そのため、これまでに解析した約400例の測定結果をもとにD, L-BAIBAと「運動習慣や骨格筋との関係」や「高血圧に与える影響」について検証する。 また、BAIBAと高血圧の両者に影響するAGXT2という遺伝子多型について報告が確認されたため、今後はAGXT2の影響も加味した検討も合わせて実施する。
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Research Products
(2 results)