2021 Fiscal Year Research-status Report
熱ショック蛋白質発現がCOVID-19による体力低下やストレス改善の可能性の解明
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21K11474
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Research Institution | Kokushikan University |
Principal Investigator |
和田 匡史 国士舘大学, 理工学部, 教授 (00320101)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
地神 裕史 国士舘大学, 理工学部, 教授 (30468970)
土居 裕和 国士舘大学, 理工学部, 准教授 (40437827)
山本 憲志 日本赤十字北海道看護大学, 看護学部, 教授 (70299329)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 睡眠 / 運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は新型コロナウイルス感染症の影響で研究計画が予定通り進まなかったが、日本アロマセラピー学会でのシンポジウム講師を務め、また北京パラリンピックアルペンスキー日本代表選手の睡眠測定を実施した。 日本アロマセラピー学会シンポジウムでの抄録を以下に示す。 東京2020オリンピック・パラリンピックは日本選手団にとって自国で開催されながら、諸般の事情から国内で行われる時間帯とは異なったスケジュールで実施され、競技によってはコンディションを整えることが大変難しく、成績が十分にあげられない競技も見られた。そのひとつの理由として決勝競技時間に合わせて、サーカディアンリズムをうまく調整できなかったことが挙げられる。国際大会において時差のある開催地で行われる場合、事前に時差ボケを解消する対策を取るのだが、当初東京オリンピック・パラリンピックでは自国で開催されるため、時差ボケ解消対策を十分に行わなくても競技成績には影響を及ぼさないと考えられていたが、実際には日本時間に合わせた競技スケジュールではなかったため、国内で行われる大会であるにもかかわらず睡眠時間の調整などを十分に考慮する必要があった。アスリートはトレーニングによる全身への負担が大きく、一般人に比べてより休養をとる必要があり、極度に疲労した骨格筋、内臓や脳などを決められた時間の中で効率よく休ませなければ効果を得ることが難しい。入浴による深部体温の上昇はスムーズな入眠を強力にサポートしてくれる。近年、水道水や温泉入浴のほかに炭酸泉入浴が見られるようになった。また、入眠やそのあとの睡眠をよくするために照明のコントロール、香り、音楽など様々な条件が検討されてきた。本講演ではアスリートの疲労回復のための睡眠の現状と入眠をサポートするための入浴および香りの効果について、これまでの成果とともに報告する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度も新型コロナウイルス感染症の影響で、被検者の確保、夜間睡眠実施環境の確保ができず、前年度までのデータの再確認やスポーツ選手の海外合宿など特別な条件のみの少ないデータを取得することしかできなかった。しかし、膨大な脳波、活動計のデータがあり、これらを再確認し、次年度の発表に向けて準備することができた。 また北京パラリンピックアルペンスキー日本代表選手を対象に国内合宿および海外合宿の際に、事前に測定の練習を十分に実施し、携帯型脳波計、活動計、SPO2計、心拍計を持参させて、合宿中のデータ取得に努めた。海外では入浴施設がないため、シャワーによって身体を温める方法で加温を実施した。シャワーおよびトレーニングによる身体加温の睡眠への影響について解析を実施している。 次年度は本成果をまとめて国際学会(アメリカスポーツ医学会、ヨーロッパスポーツ科学会など)にて発表を予定している。コロナウイルスの状況変化により、次年度に向けて研究をまとめていく予定が立ったため、次年度中には研究成果をまとめる。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は研究分担者とともに新型コロナウイルス感染症の状況を確認しながら、遅れている研究計画について早めのスケジュールを組み、国際学会等で研究成果の発表を実施する。また被検者については、コロナウイルス感染症感染のリスクを考え、これまで数名で実施していた睡眠実験を1名1室で実施できるような環境を確保する。 得られたデータをより早く解析するために研究分担者の協力を仰ぐ。 COVID-19の現状把握を専門家を交えて確認し、COVID-19の身体への影響、運動との関連について最新の知見の確認も行う。また睡眠や身体加温がCOVID-19へ与える影響についての測定について研究分担者とのミーティングをこれまで以上に行う。
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Causes of Carryover |
発表予定であった国際学会が中止となったため未使用額が発生した。 次年度では、国際学会(アメリカスポーツ学会、ヨーロッパスポーツ学会)において、 発表を予定しているため、旅費に使用する予定である。
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